暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
EP51高らかに斉唱せよ、我はヨツンヘイム皇帝!〜Agustin〜
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いた。それに呼吸をしていない。セレスは・・・死んでいた。
フィレス空士に聞いた通りだ。フィレス空士が最上階へ行く目的。もう時間の無い妹のセレスの最期を見届けるために行くんだ・・・って。
信じられなかったけど、その真剣な瞳に私はフィレス空士を見送った。そして今、セレスは冷たい身体となって、なのはに背負われて現れた。
フィレス空士が居ないのも、セレスの最期を見届けたからなんだろう。私となのははルシルへと視線を移す。ルシルはこうなることを知っていたかどうか聞くために。口を開く前に、ルシルが先に告げてきた。

「詳しい話は後にするが、セレスは元より短命だったらしい。だからこそ、さらに命を縮める魔術に手を出してまで、彼女自身の願いを叶えようとした。そういう私もそれを知ったのは、フェイトと戦う直前だったんだがな・・・」

ルシルの声には悲しみが満ちていた。私たちは何も言えず、ただ沈黙することしか出来なかった。そして私は「シャルはもう還ったの?」となのはに尋ねる。

「ううん。シャルちゃんはまだ戦ってる」

「え? 戦ってるって・・・一体誰と・・・?」

もう幹部は居ないはずだ。リエイスとクイント准尉とティーダ一尉。この3人はすでに幹部じゃないと言えるし・・・。

「ディアマンテ。というよりはその存在を乗っ取った、っていうのかな。乗っ取った人、アグスティンなんとかヨツンヘイムっていう王様らしいんだけど・・・」

なのはから返ってきた名前を聴いた直後、ルシルから鋭い何かが放たれる。私となのはは本能的にルシルから距離を取ってしまっていた。

「アグスティン、だと・・・!」

「どうしたのルシル・・・?」

呻くようにそう口にしたルシルに尋ねる。私は内心ビクビクしてる。本当に今のルシルのことが怖い。私たちの様子に気付いたルシルは「すまない」と謝って溜息、殺気を消した。ルシルはなのはへと歩み寄って「私がセレスを背負おう」と告げて、なのはは頷いてセレスを床に降ろした。

「アグスティン・プレリュード・マラス・ウルダンガリン・デ・ヨツンヘイム。私が大戦時、その最後の戦いであるヴィーグリーズ決戦で討伐した王だ。奴は連合が劣勢に立たされたと知るや否や、前線で戦う臣民を見捨てて逃げようとした、王族の風上にも置けんクズだ。君たちに見せた記憶でも出てきたはずだが、憶えていないか? いや、憶えていない方がいい」

セレスを背負って出口に向かいながら話を続けるルシル。憶えてる。ルシルのことだから忘れるはずもない。なのはと目が合う。2人して頷いた。なのはも憶えてるみたいだ。そしてセレスを背負ったルシルが真っ直ぐ出口に向かいだしたことに唖然とする。

「今の私たちが最上階へ向かったところで、シャルの助力にはならない。かえって足手まといになるだけ
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