暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
EP51高らかに斉唱せよ、我はヨツンヘイム皇帝!〜Agustin〜
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よろけたところに“キルシュブリューテ”の斬り上げ。二刀の氷剣を弾き飛ばして、“キルシュブリューテ”の刺突をすぐさま放つ。

――涙する皇剣(エスパーダ・デ・ラグリマ)――

だけどアグスティンの両手にはすでに新しい氷剣が握られていて、二刀による剣戟によって刺突の軌道を逸らされた。すぐさま横薙ぎ。また受け止められるけど、今度は防がせない。

「私も・・・私もその大戦の所為で死んだんだッ!」

怒りを“キルシュブリューテ”に籠め、全力で振り切る。氷剣を切断したけど、アグスティンはしゃがむことで紙一重で避けた。

――神速獣歩(ゲパルド・ラファガ)――

追撃しようとしたけど、その前にアグスティンは、高速移動法で私から離れる。

「だからなんだ? 騎士ならば戦死は本望だろう?」

「そうね。純粋な戦いの中での死、ならね・・・」

「ふんっ。だがこのような下界でも我を楽しませてくれた者も居る。名は確か・・・メサイア・エルシオン、とかいう男の亡霊だったか。あやつの中に渦巻く復讐心は実に気持ち良かった。結局は貴様に消されたがな」

私がディアマンテを消す前、彼が最期に言った“王よ、愚かしき者共に死の鉄槌を”っていうセリフ。王って最初はセレスのことだと思ってた。だけど、ディアマンテの言葉はアグスティンのことを指していたんだ。

「ゆえに、余興の時間は終わりだ。これより我が直接、世界を統治しようというのだ。これで満足か、剣神よ」

アグスティンの身体が光の粒子となって分散した。すぐに収束。ディアマンテの姿から、正しくアグスティン本来の姿になった。外見年齢は三十代前半。蒼いツンツン髪。灰色の瞳。服はヨツンヘイム皇族の、赤を基調とした金の装飾が施された戦闘甲冑で、地球で見た闘牛士の正装のようなものだ。そして生前、私にちょっかいを出してきたあの頃の姿だ。

「フ、フフフ・・・アハハハハ・・・! ええ、満足よ。もう十分理解した。アグスティン、貴様はこの場で消さなければならない存在ということが・・・ね!!」

この世界を支配するとほざくクズ王アグスティン。やっぱりコイツはもうこれ以上存在してちゃいけない。

「とっとと消えろぉぉぉぉーーーーーッッ!!」

†††Sideシャルロッテ⇒フェイト†††

フィレス空士を見送ってから数分、転送装置からなのはが姿を現した。それになのはが背負っているのは紛れもないセレス。私とついさっき目を覚ましたルシルは、「なのは!」と呼びかけながらなのはへと駆け寄る。
なのはも気付いて「フェイトちゃん! ルシル君!」と少しスピードを上げて歩きだす。私はなのはを見回して、重い傷が無いことを確認。そしてセレスへと視線を向け、気付いた。

「セレス・・・」

顔は血の気の無い色をして
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