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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
EP51高らかに斉唱せよ、我はヨツンヘイム皇帝!〜Agustin〜
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力を感じて閃駆で後退。直後、目の前に氷の拳が突き出してきた。すぐさま炎を纏わせたままの“キルシュブリューテ”で18分割。破片の雨を突っ切って、余裕をかましているアグスティンへ突っ込む。

――炎牙煉衝刃(シュプレンゲン・ランツェ)――

「馴れ馴れしくセレスって言うなッ!!」

炎熱の槍を飛ばしながら、セレスの名を当然とでも口にするアグスティンに激昂する。奴は「我が末裔の娘ゆえ、貴様の許可は要らんだろう?」と鼻で笑いながら私の炎槍を避ける。

「さて続きだ、剣神よ。その結果が、この争いということよ。あの娘も残り僅かの余生を、我が与えた魔術によって思うがままに生きた。結末はあのような下らぬものだったが。いやはや、なかなかの暇つぶしだったぞ、ククク・・・!」

何だそれは・・・。それはつまり、セレスが動いたのは、全部コイツの所為?
コイツが現れなければ、たぶんセレスは胸の内に復讐心を宿したまま、強い未練を遺して逝ったのだろうけど、でも、コイツが楽しむためだけに、セレスはあんな大変なことを選んで実行したんじゃない。セレスの最期が馬鹿馬鹿しくて可笑しいと笑うアグスティン。今度は急激に冷めていくのが解かる。

「・・・お前の目的は・・・・何だ?」

“キルシュブリューテ”を握る右手が痛い。それほどまでに力を込めてしまう。だって許せないから、目の前のコイツが。

――双牙炎雷刃(フランメ・ウント・ブリッツ)――

まず左斬上げ一閃。炎熱の斬撃を飛ばして、すぐ右斬上げの一閃で雷撃の斬撃を飛ばす。アグスティンが氷剣二刀を振るって迎撃に入ろうとしたところで、閃駆で一気に間合いを詰める。

――炎牙月閃刃(フランメ・モーントズィッヒェル)――

炎の斬撃の振り下ろし。迎撃を終えて「ふんっ!」と気合を入れたアグスティンは氷剣を交差させて私の一閃を受け止めた。そのままの体勢でまた硬直。私は意地になって、奴の脳天に“キルシュブリューテ”を叩きこむためにさらに力を入れる。

「知れたことを。今度こそ世界を手にするために決まっておろう。かつては神器王によって我が命は断たれたが、今度はそうはいかん。ヨツンヘイムこそが、世界を統べるに相応しい存在だということを示してやろう。だというのに管理局だと? くだらん。その上、科学へと身を堕とした魔導師? そのようなものなど生きる価値の無い存在よ・・・!」

「黙れ! 現代の魔法は、古代の・・・大戦時の魔術に比べればずっと優しい! それになんだ? ヨツンヘイムが世界を統べるに相応しい!? そんなくだらない考えの所為で大戦が起こり、何百という世界が滅んで、数えきれない人命が失われた!」

私は脳天振り下ろしを諦めて、右足の蹴りをアグスティンの鳩尾に打ち込む。

「うごぉ・・・!」


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