暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
EP51高らかに斉唱せよ、我はヨツンヘイム皇帝!〜Agustin〜
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洗礼”の一撃が掠ってった時と同じ。私はまずルキノ操舵長に艦体姿勢制御の指示を出して、続いてメインモニターに“オラシオン・ハルディン”の映像を出させる。

「アレはまさか・・・!」

映りだされるんは魔法陣が今まで以上に発光している状況。そして上空にも閃光。それは“女帝の洗礼”の先端に集束していって、直径4m弱の漆黒の光球となった。ソレには見憶えがあった。それは遥かに古き時代。シャルちゃんとルシル君の記憶の中で見た、最古にして最凶の魔術・・・

「ラグナロクか・・・!?」

間違いないやろ。セレスの持つ“ディオサの魔道書”には数多くの魔術が記されとるって話やったし。ラグナロクのことくらいは載っとるはずや。

「ラグナロクなんて何を考えとるんや、セレスは・・・!」

そやけど、これはあまりにもやり過ぎ。改革でも復讐でもあらへん。完全にそんなレベルを超えとる。振動と一緒に“ヴォルフラム”が徐々に高度と速度を落としていく。

「これはまるで・・・あの魔力塊に駆動炉の魔力を吸い取られているような・・・」

スタッフの1人がそう呻く。ラグナロクの球体が周囲の魔力を集束させていってるんやろな、と思う。こればかりはどうしようも出来ひん。

(シャルちゃん、なのはちゃん・・・任せたで)

祈る。2人ならきっとセレスを止めてくれるとはずやと。

「オラシオン・ハルディンから魔力反応消失! 駆動炉正常稼働、出力回復しました!」

“ヴォルフラム”の艦底がいよいよ地面にぶつかるとゆうその時、そう報告が上がる。メインモニターに映る“オラシオン・ハルディン”。地上の魔法陣も“女帝の洗礼”の先端にあったラグナロクも綺麗さっぱり無くなっとる。私は小さく安堵の息を吐いて、すぐさまルキノ操舵長に「艦体を立て直して、針路そのまま。目標エヘモニアの天柱」と指示を出す。

(良くやってくれた。シャルちゃん、なのはちゃん・・・)

ラグナロクが撃たれへんかった。セレスが負けたとゆうことやろう。私は背もたれに体重を預けて、もう1度安堵の息を吐く。これから忙しくなるわ。まずはセレスとの話し合いから始まって・・・。

「待っとってな、セレス。今、行くからな」

†††Sideはやて⇒スバル†††

ようやく“ヴォルフラム”の振動が治まった。ここ待機室で、あたし達はモニターを眺めていた。“オラシオン・ハルディン”の映像を。強烈な閃光、ラグナロクを。けどラグナロクが発動することはなかった。なのはさんとシャルさんがカローラ一佐を止めてくれたんだ。
シャルさんとルシルさんの記憶を観て知っているラグナロクの脅威が消えたことに、みんなが安堵の溜息。そして、すぐに待機室に悲鳴が上がる。ビクッとして、モニターから悲鳴を上げたギン姉たちへと視線を移す。

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