暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep49セレスの独白〜Before the battle〜
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切な存在(ひと)を失いたくない・・・!)

私はマスター権限を使って、ルシルの記憶を片っ端から隠蔽しました。奪わせない。もう誰にも、大事な人を奪わせない。
それから私は、管理局改革のために魔術を行使し続けました。まずは姉フィレスを喚び、いつか弊害になるかもしれないはやて達の壁となるためのリインフォース。最初の1年はこの4人で普通に過ごしました。とても楽しいひと時だったと思います。

本格的に活動するために新たなメンバーを喚び出し、補助戦力の魔族を召喚しました。さらにコンツェルンの資金と技術を総動員して、オムニシエンスと名付けられた私たちの本拠地に施設を建設。ある程度設備も戦力も整ったところで、私たち“遺志による改革者テスタメント”の名を次元世界に知らしめたのです。

「・・・ん・・・」

目を覚ます。体勢は眠る前と同じ、椅子に腰かけたまま。お姉ちゃんが戦いに出て、止めようとしたけど、お姉ちゃんの言葉を聞いて、諦めた。だからせめてお姉ちゃんをサポートするために“騎士の洗礼”を動かしたのですが・・・。そこから先が思い出せない。ということは、そこで意識を失って眠りについたということなんでしょう。

「呼吸が、少し・・・楽・・ですね・・・」

私の時間はもう残り少ない。おそらく今日、私は逝く。だからルシルを解放した。ルシルはきっとフェイトに負けるはずです。必死になって、ただひたすら前に突き進むフェイトに勝てるだけの力が、今のルシルに無いのですから。彼の力の6割強は未だに私を生かすために、この胸の内にあるのだから。

「ルシ・・ルには・・・幸せに・・・なってもらい・・たいもの、ですし・・」

でもどうか願わくば私のことを忘れないでほしい。そう願い、大きく深呼吸して、身体を万全とは行かなくても、それなりの好調へと整える。階下フロアに侵入者を探知したセキュリティーから報せが来て、自動でモニターが展開される。

「・・・なのはとシャル・・・」

映り込むのは通路を飛行するなのはとシャルの2人だけ。ルシルに命じた通り、そこにフェイトの姿はありませんでした。

「順調、ですね・・・」

幹部ももう、私とお姉ちゃんとルシルだけ。こうなることは判っていました。ディアマンテ、メサイア・エルシオンが独自に管理局の将校と繋がっていることも知っていましたし、彼独自の計画も知っていました。
原因は知っています。
肥大化していく復讐心の塊となったメサイア・エルシオンと、彼に憑き始めた、私を呼んだ声の主である“王”の放つ遺志の波動の所為です。結局、だった2つの遺志はシャルによって消されたみたいで、私としては助かりましたね。

「でも、ある程度感謝しないといけませんね。彼らのおかげで、こうして管理局との最後の戦いを始められましたし」


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