第五十六話 卒業式の前その九
[8]前話 [2]次話
「千里も時間があったら」
「この神殿を参拝したり」
「あと詰所で色々な人とお話をしたり」
「そうしてなのね」
「色々と人と会ってね。大学でもね」
四月から通う天理大学でもというのです。
「いいわね」
「ええ、沢山の人とお会いしてお話して」
「ひのきしんやおたすけもしてね」
おみちのこともして、というのです。
「種を蒔いてね」
「これからの四年も大事なのね」
「そうなの。だからね」
お母さんも教祖殿を見つつ言います。
「色々ないいことをしないさいね」
「そうよね。そういえば」
ここで私は思い出したことがありました、そのことはといいますと。
「最近お墓地にお参りしてないわ」
「そうなの」
「初代大教会長さんのお墓にもね」
「教祖様のお墓にも」
「そうなの」
お墓は他には歴代の真柱さんや本席さんものもあります。
「だったら」
「ええ、卒業までにね」
「一回お参りしてくるわ」
「そうしなさいね、それで今からね」
「ええ、教祖殿にね」
「お参りするわよ。教祖様にお会いすると思うと」
お母さんは自然と笑顔になって言いました。
「嬉しいわ」
「ううん、そう言われると私は」
おぢばにいさせてもらっているのにです。
「そう思うことがね」
「ないのね」
「そうした気持ちは」
言われてみると本当にありません。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ