暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep27-Bアドゥベルテンシアの回廊 〜First Battle Line 2〜
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†††Sideヴィータ†††

あたしとシグナムが対峙するのは、復讐の炎に滾るカルド隊。すでにリインとユニゾンしたあたしと、アギトとユニゾンしたシグナムはバッチリ臨戦態勢だ。

「よくもここまで来れたものだ。だが、ここがお前たちの終焉の地となる」

「時間稼ぎを命じられているが、ちょっとした不注意で殺しても問題ない」

「そうだな。“わざと”でないならば仕方が無い」

時間稼ぎっつうのが気になるが、どっちみち向こうは端から()る気みてぇだし、返り討ちにしてやるまでだ。シグナムと視線を交わして合図。
カルドのリーダー、ガウェイン・クルーガーはシグナム。カルド・デレチョ、ジョシュア・エルグランドはあたし。残りのカルド・イスキエルド、ジータ・アルテッツァは、交戦中、手の空いているときに墜とす。

「アイゼン!」「レヴァンティン!」

≪≪Explosion≫≫

シャルロッテのカートリッジを1発ロードする。ドクンと胸が高まる。こいつはとんでもねぇ代物だ。身体中に奔るシャルロッテの神秘の魔力。今まで感じたことが無い高揚感。今なら何でも出来そうな気がする。

「(これが、魔術師の力・・・!)ハハ・・・」

つい笑みを漏らしちまう。胸の高まりを意識的に抑えていると、リインが『すごいですねヴィータちゃん。これが神秘なんですね』と話しかけてきたから、『ああ。アイツら、こんな風にいつも戦ってたんだな』と返す。
抑えるのも大変なこんな高揚感の中でアイツらは戦っていたんだ。見ればシグナムも同じなのか、表情には出しちゃいねぇが高ぶっているのが判る。“レヴァンティン”を一度振るって、「ふむ」って頷いた。

「お前たちには悪ぃが、あたし達は墜ちるわけにはいかねぇ」

「主の笑みを終の果てまで護り抜く。それが我ら守護騎士ヴォルケンリッター」

そうだ。だからカルド隊の復讐には応えられねぇ。それがさらに恨みを買うことになったとしても、あたしらはお前たちカルド隊を倒す。

「いくぜ! リイン! アイゼン!」

『はいですっ!!』≪Jawohl≫

「ヴィータに遅れを取るなよ、アギト、レヴァンティン」

『おうよ!』≪Jawohl≫

2人で同時に仕掛ける。カルド隊は散開して、あたしとシグナムの攻撃を避ける。

「ヴィータ、リイン。負けるなよ」

「シグナムとアギトこそ、はやてを悲しませるようなことになんなよ」

あたしはシグナムと顔を見合わせ、空いている拳を突き合わせる。シグナムがカルドとイスキエルドに向かったのを見送って、あたしもデレチョのトコに突撃する。デレチョは大剣を大きく振り上げたまま、あたしと同じように突撃してきた。

――テートリヒ・シュラーク――

「そぉぉらぁぁぁぁぁッ!」

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