暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep27-Bアドゥベルテンシアの回廊 〜First Battle Line 2〜
[5/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
て殺された。そう、謀られて死んだ、殺された。オレはそんな形での死なんか望んじゃあいない。オレは・・・オレはさ、武装隊として、せめて戦いの中で死にたかった」
「だから、だからエリオ君と戦うんですか? 自分を斃させるために。そんなことで、エリオ君にあなたの
未練
(
おもい
)
を背負わせるんですか!?」
「キャロ?」
僕の後ろに控えていたキャロが、前に躍り出て一生懸命にそう言った。対するグラナードは小さく「女には解からないか・・・」と、笑みとも言えない冷たい表情を浮かべてた。
「オレは、管理局員として何かを守るために戦いたかった。その結果が死だったとしても、だ。だが、結局それは叶えられなかった。憧れた組織に入り、自身を鍛え、経験を積み、任務をこなした。信じていたんだ。世界が平和になるための過程にオレは居て、その手伝いをしている」
「グラナード・・・」
「信じていたんだ! 管理局を! だが実際はどうだ!? アイツらは都合が悪い、世間に出てはいけないことを知ったオレを謀り、殺したッ!!」
グラナードの放つ怒りの空気に、キャロはたじろいで後ずさった。僕はそんなキャロの左手を取って、落ち着かせるために「大丈夫」って微笑みかける。けど実際僕も呑まれそうだ。キャロの体温を感じているからこそ、まだ落ち着いていられる。
「オレは! オレはそんな結末のために管理局員になったんじゃない! はぁはぁはぁはぁ・・・。すまん、話が逸れたな。だからせめて、オレを嵌めたヤツらに復讐し、最期は好敵手ってやつと戦って逝きたかったんだ・・・」
どう声をかければいいか判らない。信じてきたモノに裏切られて、その上騙されて殺された、だなんて・・・。管理局は、本当にそんな組織なのか?
思い出すのは幼少の頃。フェイトさんとルシルさんと出逢う前の頃。信じてきた世界が僕を裏切った。だから世界そのものが僕の敵となった。憎んだ、世界を。恨んだ、世界を。否定した、世界を。
(けど、僕は出逢ったんだ。こんな僕に手を差し伸べてくれて、新しい世界をくれた家族に・・・)
全てが変わっていく。消えていく。癒されていく。大切な時間を過ごすことが出来た。僕は、完全に裏切られなかったから世界を許せた。僕を絶望に追いやった人を許せた。
でもグラナードは、裏切られて、そして新しい何かを手にする前にその命が断たれた。どれだけ悔しかったか、僕には到底解るものじゃない。その結果が、復讐したい。
その強過ぎる
未練
(
ねがい
)
によって再びこの世界に舞い戻った復讐者・・・メルセデス・シュトゥットガルト。
「まあどっちにしろ戦わないといけないのは違いない。だから・・・来いよ」
伏せていたフォヴニスが立ち上がる。黒い甲殻の隙間や穴の中に揺らめく翠色の光が一際強く輝きだした。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ