第二章
[8]前話
「ああ、そこにいたんだ」
「えっ、そこにって」
「そのペンギンは私のペットでね」
「ペンギンがペットですか」
「それで毎日こっそり用務員さんに預けて学校でも一緒にいたけれど」
そのペンギンがというのだ。
「急にいなくなって用務員さんと探していたんだ」
「そうだったんですか」
「じゃあすぐそこに行くから」
「案内させてもらいます」
「お願いするよ、何処に行ったのかって心配していたら」
校長先生は青瓷にほっとした顔で話した。
「見付けてくれて何よりだよ、有り難う」
「いえ、学校にペンギンがいることに驚きましたけれど」
「妻に先立たれて子供達も結婚して家を出て」
校長先生は今は自分の家庭のことを話した。
「たった一人の家族でね」
「ずっと一緒にいたくて」
「本当にこっそり学校にも連れて来ていたけれど」
「今日は逃げたんですか」
「けれど見付かって何よりだよ、ただ」
「ただ?」
「私が学校にペンギンを連れてきていることは内緒だよ」
「わかりました」
流石にそんなことは校則に書かれていなくてもよくない、常識の問題で。青瓷もそのことがわかっているからそこは頷いた。
青瓷がペンギンを見た場所に行くとそこにはペンギンはまだ寝ていた、校長先生はそのペンギンを保護してだった。
家に帰って行った、この時校長先生は青瓷に早く家に帰る様にと優しく言ったが彼はことが終わったのでもうそのつもりだった。それで家に帰ったが校長先生との約束を守ってペンギンのことは言わず忘れものを取りに行って遅れたと親には説明した、そうして彼がこのことを誰かに話すことはなかった。最後まで校長先生との約束は守りこの怪事は知られることがなかった。
放課後の怪事 完
2019・12・15
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