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曇天に哭く修羅
第一部
才気
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復帰を計算に入れないといけないけど)


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紫闇が盾梟を発動したことを確認した春斗は直刀が魔晄防壁にぶつかる前に柄の握りを弱めながら後方へ跳び下がることで衝撃による腕の痺れを防ぎつつ、紫闇の反撃が届かない場所へと迅速に避難する。


(一定以上の力を使って硬く質量の有る物体を叩くと腕が痺れてしまうのと同じ原理の迎撃をする防御用の技なのか)


金属バットを力いっぱい硬い床や壁に向かって打ち込んでみれば判るかもしれない。

(すす)めはしないが。

ならばと春斗は紫闇がカウンターによる反撃を取れないようにしようと攻め方を変える。

紫闇に近付くと彼の攻撃に合わせて自分がカウンターを決めることで地道に斬っていく。

全身なます切りだ。


「普通なら死んでいるのだが頑丈だな。魔晄防壁だけでなく体も心も有ってこそだが」


春斗の斬撃は切っ先だけではあるが、紫闇の魔晄防壁を完全に突き抜けていた。

お陰で出血多量。

長くは持たないだろう。


「満身創痍であろうと相手が相手だ。そう簡単に手を抜くわけにもいくまい」


春斗が腰を落とす。

直刀の柄頭を腹に当てた。


「増長天の構え」


春斗の威圧感が増していく。


「魅那風流剣術・飛車斬り」


震脚のように春斗の足が踏み込む。

強靭な体育館の床が砕ける。

有象無象の【異能】なら破壊すること叶わぬ強固な構造の体育館を【魔晄】の身体強化が有るとは言え、ただの踏み込みで破壊するのは異常だ。

紫闇と春斗、彼我(ひが)の間合いが詰まる。

今までとは比べ物にならない速さの斬撃。

連続して飛ぶそれは紫闇からすれば無数の光る銀色の筋が殺到するようにしか見えない。

一閃たりとも見切れなかった。


(この斬撃は立華の攻撃を()なしながら出していたカウンターとは違う。此方(こちら)から積極的に斬っていく乱撃だ。既に全身が傷だらけのお前が何処まで耐えられるかな?)


傷の上から無数の斬撃を浴びる紫闇。

まるで痛みという嵐の中に投げ込まれたかのように体のあちこちが余すところ無く痛い。

皮膚が裂け鮮血が散る。

骨が折れて砕ける。

何処かの内臓も破裂した。


血反吐を吐いて紫闇は春斗に迫る

ボクシングのクリンチと同じ。

抱き付けさえすれば密着状態なので下手に剣を振ることが出来ず攻撃も止むだろう。


(押し倒して寝技へ───)


しかし見抜かれていた。


「甘い」


春斗は側面に回り首に一撃。

それに反応した紫闇の右拳が黄金に輝く。

繰り出した[禍
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