太陽と西風 空の至宝と少女の愛
第65話 襲撃
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イ女になったな、フィー」
「ブイ」
フィーは堂々とそう言ってリィン君に抱き着いた。本当に仲が良いわね、リィン君とフィーって。
(……ヨシュア)
あたしはいなくなってしまった想い人の事を考えながら彼を連れ戻す決意を新たに心に刻んだ。
「特訓の調子はどうかしら?」
「あっ、マリアナさん」
そこに西風の旅団の一員であるマリアナさんがやってきた。
「順調やな。このままいけばもうすぐ例のアレが出来るんやないか?」
「それは良い知らせね、ならこのことはルトガーに伝えておくわ。さあ、晩御飯を作ったから沢山食べなさい」
「はーい!」
ゼノさんとマリアナさんが話していたアレが気になったけど、それ以上にお腹が空いていたので考えを切り替えてロッジに向かった。
―――――――――
――――――
―――
「はぁ〜、美味しかった!」
晩御飯を食べ終えたあたしはフィーと一緒の部屋でくつろいでいた。
「エステル、凄い食べてたね。マリアナも作りがいがあるって喜んでいたよ」
「だってすっごく美味しかったんだもん。マリアナさんって料理が上手なのね」
「元貴族だって聞いたことがあるしそこで習ったんだと思うよ。わたしもマリアナから料理を習ったし」
「そうなんだ……」
マリアナさんが元貴族と聞いて少し驚いた。
「でも早いものだね。あれからもう一か月以上もたったなんて」
「そうね……」
そもそも何故あたしが西風の旅団と共に行動をしているのか、それを話すにはあたしがヨシュアを追いかけると決めたあの日までさかのぼる事になるわ。
ヨシュアを追いかけると言ったのはいいものの、今のあたしではヨシュアを連れ戻す事は不可能だと父さんに言われたの。要するに実力が足りていないとハッキリ言われたわ。
そこで父さんは何とルトガーさんにお願いしてあたしの実戦相手を務めてほしいって話を出したの。そしてルトガーさんが父さんから何かの切手みたいなのを受け取って依頼を受けると話が決まった。
「でも大丈夫なのかな?確かリベールって猟兵に依頼するのを禁止していなかったっけ?」
「ん。まあそうだけどカシウスは国を救った英雄だし女王陛下から特別に許可を貰えたみたいだよ」
「知らなかったとはいえまさか父さんがそこまで凄い人だったなんて思わなかったわ……」
「まあカシウスはそういうの隠すのが上手い人だからね」
改めて父さんの凄さを実感したわね。前まではロクに連絡もよこさない心配ばかりかけさせるってイメージだったのに……いや今でもそんなイメージね。
とにかくそういう事であたしは西風の旅団に鍛えてもらう事
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