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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第8話:再会のパフォーマンス
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十郎の言葉を遮って、やや芝居じみた様子で颯人はそう告げると、彼は両手を広げて司令室の中央へと向かっていった。ちょうど二課職員や装者達が作る輪の中心に立つ形だ。
二課の者達の視線が自分1人に集まったのを見て、彼は右手に指輪を嵌めてハンドオーサーに翳した。
〈ドレスアップ、プリーズ〉
音声と同時に彼はその場でくるりと一回転。次の瞬間には彼の恰好はカジュアルなスーツ姿からシルクハットを被ったタキシードに変わっていた。手にはステッキすら持っている。
早着替えとかそんなレベルではない光景に目を見開く弦十郎達の前で、颯人は軽快にステップを踏みながら自己紹介し始めた。
「さてさて、俺の事を知ってる人ばかりみたいだけど、様式美ってことで傾聴願うよ。俺の名前は明星 颯人。世界的天才マジシャン明星 輝彦の息子さ」
話しながら彼は徐に朔也に近付くと、手に持っていたステッキを両手の中に消し代わりにソフトクリームを出して朔也に手渡した。
渡された物が本物のソフトクリームであることを少し食べて確認した彼は、驚愕に目を見開く。
「日本じゃまだまだ無名だが、こう見えても海外じゃそれなりに名が知れててね。その内こっちでも有名になる筈さ。サインが欲しくなったらいつでもどうぞ」
颯人はそのまま隣のあおいの前に来ると、何もない筈のハンカチの下から小さめのテディベアを取り出しそれを彼女に手渡した。この短時間に既に何度も颯人の手品を見ているあおいだが、やはり目の前で見事なものを見せられると興奮するのか子供のように目を輝かせながらテディベアを受け取った。
「今日ここに来たのは奏との約束を守る意味もあるけど、それとは別にもう一つ。今後は俺もあんたら二課に協力をと思ってね。その方が奏と長く一緒に居られそうだからさ」
今度は了子の前に来た颯人は、彼女の手を取りその上にハンカチを被せた。彼がハンカチを取り去ると、そこには一輪の花弁の多い桜色の花、ダリアと言う花があった。
「そう言う訳で、今後はお世話になるんで、以後宜しく」
最後に彼は弦十郎の前に立ち、シルクハットを手に優雅に一礼して見せた。
自己紹介を終え、満足そうにシルクハットを被り直す颯人。
対する二課職員達は誰も言葉を発さない。理解が及ばないとか引いているとかいう訳ではなく、純粋に圧倒されていたのだ。威圧されたという訳でもない。
ただただ単純に、一つの舞台が終わった直後の様な雰囲気に動いたり言葉を発したりすることが無粋なように思えたのだ。
誰も何も言葉を発さない中、まず真っ先に口を開いたのは奏だった。
「…………とりあえず言いたい事や聞きたい事は色々ある。もちっと普通に会いに来られなかったのかとか、事前に連絡の一つも寄越せとか」
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