暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第8話:再会のパフォーマンス
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司令室に詰めていた二課職員達。

 彼らが手品に驚いている様子に颯人は楽し気に笑みを浮かべると、続いて何も持っていなかった筈の手からトランプのカードを1枚取り出した。ハートのQだ。

「ん〜、そうだな…………よし。そこのお兄さん」
「え? 俺?」
「そうそう、こいつをどうぞ」

 颯人は周囲を見渡すと偶然目が合った朔也を呼び寄せ、手に持っていたハートのQを渡した。

 朔也は突然渡されたトランプのカードにどうすればいいのか分からず困惑した様子を見せるが、颯人はそんな彼を宥めて落ち着かせると取り敢えず渡したカードに何もおかしなところがないことを確かめさせた。

 カードに何の仕掛けもないことを朔也が確かめると、颯人は彼にそれを両手でしっかりと挟ませた。その状態で彼には下がってもらう。

 朔也が元居た場所にまで下がったのを見ると、彼に向けて一度指をパチンと鳴らし、次いであおいに向けて指をパチンと鳴らす。

「ん。お兄さん、もう手を開いてもいいよ」
「え? おぉ…………ぉおおっ!?」

 完全に流れを掴まれながらもとりあえず言われた通りに両手を開くと、確かに両手で挟んでいた筈のカードが影も形も無くなっていた。思わず落としたかと足元を見るが、カードは影も形もない。

 驚き慌てる朔也の様子を眺めつつ、颯人はあおいの上着の右ポケットを指さし自分の上着の同じ部分をポンと叩いた。
 彼のジェスチャーにまさかとあおいが上着の右ポケットに手を突っ込むと、そこから先程確かに朔也に手渡されたはずのハートのQのカードが出てきた。

「えっ!?」
「あらぁ〜」
「をぉぉっ!?」

 何をどうやったかも分からないが、テレビなどでよく見るものと寸分違わぬレベルの手品に先程までの警戒はどこへやら、職員たちは突然始まったマジックショーに完全に目を奪われていた。

 彼らからの警戒が少なくなった頃合いを見計らって、颯人は本題を切り出した。

「さってと。いい感じに楽しんでもらえたところで…………ちょっと頼みたいことあるんだけど」

 突然そんなことを切り出した彼に、職員達の顔に再び緊張が走る。彼の手品にすっかり夢中になっていたが、思えば彼の目的をまだ聞いていなかった。その事を思い出し、彼が一体何を口にするのかと身構える。

 再び警戒の色を露にし始めた彼らに颯人は苦笑すると、再びコネクトの魔法で魔法陣に手を突っ込むとビニール袋を取り出した。彼がそれから取り出したものは────




 ***




 弾ける火薬の音、そして飛び交う色取り取りの細い紙テープに目を奪われる奏達。

 そんな彼女たちを見やり、颯人は満面の笑みを浮かべながら口を開いた。

「いよぉ〜ぅ、ひっさしぶりだな奏! 約束通
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