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デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~
第五十四話「美九と美亜」
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は四糸乃の左腕に付けられたウサギのパペットからであった。最初に見た時は独特な子だと彼女は思っていたが美九がその事について聞いた時四糸乃の友人と言う事らしい。

美九は腹話術をする四糸乃が可愛らしいためにそのままにしているらしいが彼女にとっては何度見ても慣れる光景ではなかった。とは言え別にやめさせようとは思わない。美九の指示と言う事もあるが四糸乃自身がそれがないと不安定になるからだ。

美九はある程度四糸乃を抱きしめ頬ずりすると四糸乃の頬にキスをして身を離した。四糸乃の顔が一瞬で真っ赤になる。

「ありがとうございます、四糸乃さん。私の為に待っててくれたんですねー」

「あ、あの……は、はいっ」

四糸乃は真っ赤になった顔を伏せながら右手に持ったタオルを美九に差し出す。美九はそれを受け取ると汗を取るが四糸乃に抱き着いた際に半分ほどは拭われていた。彼女はそんな美九に声をかけた。

「お疲れ、美九」

「あ!美亜さん、来てくれてたんですねー!」

美九は彼女の姿を見ると一瞬で笑顔になる。先程も笑みを浮かべていたのだが今の美九は純粋な笑みを浮かべていた。作り笑顔ではない純粋な笑みに自然と彼女の頬が緩んでいく。

「くく、さぞ疲れただろう、姉上様。ゆるりと休むがよいぞ」

「誘導。こちらへどうぞ、お姉様。美亜お姉さまもこちらに」

ふと、美九を呼ぶ声がする。美九と彼女がそちらに顔を向ければメイド服の少女が二人経っていた。一瞬鏡でもあるのかと思えるほど瓜二つの顔立ちの少女たち。風の精霊【ベルセルク】こと八舞耶?矢と八舞弓弦である。

そんな二人は控室に椅子と飲み物を用意して美九をねぎらっていた。そして、美九一番のお気に入りの為か彼女の分と思われる椅子と飲み物も用意されていた。

「ふふっ、ありがとうございます♪さあ、美亜さんも一緒に」

「…ああ」

美九の催促に従い美九の座った隣の椅子に腰かける。八舞姉妹はそれぞれ耶?矢が美九を弓弦が彼女のお世話をする。

「確認。美亜お姉さま、気持ちいですか?」

「ああ、とても上手ね」

「ふふふ、姉上様もどうだ?」

「あ〜ん、気持ちいいです〜」

耶?矢は美九の肩を揉み、弓弦は彼女の両足を揉む。二人とも一流のマッサージ師にも劣らない実力を発揮し彼女も思わずリラックスしてしまう程だ。

すると美九達の方に心地よい風が流れてくる。前を見れば四糸乃が団扇を持ちこちらに仰いでいた。恐らくこのままでは美九が八舞姉妹に取られてしまうと思っての行動だろう。

「ありがとうございます。四糸乃ちゃん。とても気持ちいですよ」

「あ、あの……その、は、はい……」

四糸乃は嬉しそうに顔を赤らめ俯く。

「ああ……」

その様子に美九は恍惚とした
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