パラサイトGX
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』。ルカリオはその爆風を利用してむしろできるだけ逃げていた。
全く巻き込まれなかったわけじゃないけど、鋼タイプなのも相まって戦闘不能には程遠い。
「へえ、『大文字』も『大爆発』も予想しとった?」
「シャトレーヌならわたしの手持ちは大体知ってるはず。鋼タイプの弱点をつく技はたくさん用意してるだろうし……マタドガスやベトベトンを見たら大爆発を警戒するなんて当然よ」
「……賢いねえ。うちが子供の頃とは大違いやわ」
皮肉じゃない、悲しみのこもった言葉と共にルビアが新しいカードを取り出す。他のカード以上に表面がキラキラしているのが遠目にも見て取れた。マタドガスの姿が消える。これであと2体。
「奇襲は失敗したし、出し惜しみはなしでいこか。出ておいで──ウツロイド」
「ウルトラビースト……!」
出てきたのは、白くて、ふわふわしてるのに硬い体をしたUB。カラフルなのに不透明な、ぼんやりとした光を放っている。わたしのボールの中のシルヴァディが唸り声をあげた。
クルルクはこのリゾートにもカプ・テテフは普通にいるって言ってたけど……UBまで、カードになってるんだ。
「一気に決めるよ! 『バレットパンチ』!」
ウツロイドのタイプは岩・毒。格闘も鋼も抜群だし、なにかされる前に先手で倒せばいい。
なのに、ルカリオは動かなかった。ウツロイドから遠く離れたところでパンチを繰り出し、ただ力任せに振った拳がルカリオ自身を苦しめる。
【いけません、ルカリオは混乱しています! それに、どく状態に……】
「いつの間に!?」
スズがルカリオの状態を教えてくれる。でもマタドガスにそんな技を使った素振りはなかった。なのに……
「さすがにこれは知らんねえ? このウツロイドがバトル場に出たとき、特性の効果が発動したんよ」
【ウルトラビーストの特性はビーストブースト。相手を倒したときのみ発動するはずですが……まさか!】
ルビアは手にしたカードをわざと勿体をつけてひらひら振ってみせる。
「うちらシャトレーヌはポケモンカードのGX技だけじゃなくて、限定的に特性もポケモンカードに書かれたそれを扱うことが出来てね? このウツロイドは特性『うつろなひかり』。バトルに出た瞬間に相手をどくと混乱状態に出来るんやわ。タイプ関係なくな」
【昨日のチュニンがマーシャドーの特性を利用したのと同じ、ということですか……】
「だったら、一回戻ってルカリオ! ハッサムと交代!」
混乱ならボールに戻せば収まる。だけど出てきたハッサムの赤い羽根がゆっくりと紫色に染まり始めた。
「賢い判断やけどこの瞬間にスタジアム『ダストアイランド』の効果が発動。トレーナーがどく状態のポケモンを入れ替えたとき、出てきたポケモンをそのどくを引き継ぐ
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