暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第62話 命を奪う水と命を癒す水、救うための鍵はグルメ細胞!?
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えええェェぇえッ!!?」
アイスヘル中に響く大音量でイッセーの声が響き渡った。
「にゃん!?そんな大きな声を出されたらビックリしちゃいますよ……」
「……」
「イッセー先輩?」
「小猫ちゃん!?」
「きゃっ……」
可愛らしく首を傾げる小猫、だが彼女が目覚めたという現実をようやく受け入れたイッセーは体を震わせて涙を流す。そして感極まったのか力いっぱい小猫を抱きしめた。
「イッセー先輩、苦しいです……」
「バカ野郎……!俺がどれだけ心配したと思っているんだ!!」
「それはその……ごめんなさい。あの時は必死で……」
「だからって豪水なんて飲む奴があるか!……でも生きていてくれて良かった……」
「先輩……ごめんなさい、本当にごめんなさい……」
起きたばかりで少し混乱していたが自分が死にかけていたという事を思い出して小猫は罪悪感に駆られる。こんなにも想い人を悲しませることになるとは……自分は浅はかな事をしたと改めて実感して彼女も涙を流し始めた。
それから暫くお互いのぬくもりを感じ合っていたが祐斗達の事もあるのでイッセーは小猫に今の状況を説明した。
「……つまり私は療水を飲んで意識を戻したという事ですか?」
「ああ、そうだ。でも療水はグルメ細胞が無ければ唯の水らしい、でも君の体は治っているし細胞も活性化しているみたいなんだ。そうなんだろう鉄平?」
「間違いない。彼女はグルメ細胞を持っている」
療水を飲んで体の細胞が活性化して再生した。これは小猫がグルメ細胞を持っている証拠に他ならない。
「私がグルメ細胞を……」
「だが小猫ちゃんは異世界……俺達の世界で生まれたはずだ。今までの旅でも小猫ちゃんがグルメ細胞を手に入れたことなんてなかった、それなのにどうして……」
「小猫は生まれながらにしてグルメ細胞を持って生まれたんじゃろうな。今までは眠っておったようじゃが今回豪水によって死の一歩手前まで追い詰められたことによって目覚めたんじゃろう」
「生まれながらにグルメ細胞を……?」
「まあ今はそのことは後にしよう。祐斗達は依然危険な状態じゃからな」
「ん、分かった……」
小猫の体内にグルメ細胞がある、それはとても衝撃的な出来事だった。節乃が話した生まれながらにグルメ細胞を持つ人間の話も気になったが今は祐斗達の事を優先することにした。
「それで祐斗達はどうすれば助けられるんだ?」
「小猫が答えを教えてくれたじゃろう?」
「まさかグルメ細胞を二人に移植するのか?」
「うむ、それしか救う手立てはないじゃろう」
「危険だ!唯でさえ体に大きな負担をかけるんだぞ!ましてやこんなボロボロの状態じゃグルメ細胞の力に負けて死ぬかもしれない!」
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