第五十六話 卒業式の前その六
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「別にね」
「普通にやっていただけなのね」
「ええ、それだから」
「千里がそう思っていてもなのよ」
「実は頑張っていたのね」
「そうよ、だからその頑張りがね」
私に笑顔で言ってくます、そんなお話をしているうちに回廊を進んでいて右手に入学の時にはお母さんと一緒に通った黒門が見えました。
その黒門を見ている私にです、お母さんは言うのでした。
「種となるから」
「その種がよね」
「実るわ」
そうなるというのです。
「やがてね」
「種を播いたのね」
「そう、それでね」
さらに言ってくれました。
「大学の四年でもよ」
「私は種を蒔くのね」
「そうなるわ。種はね」
蒔いたそれはというのです。
「絶対に実って咲くから」
「今私がしていることも」
「そうよ、千里は将来奥さんになるでしょ」
「お婿さん迎えてね」
お婿さんに教会長さんになってもらってです。
「立派な奥さんになりたいわ」
「そうなる為の種をね」
「今蒔いてるのね」
「悪い種も実るけれど」
だから注意しないといけないです、いいことをしていけばそれが将来いいことにつながっていくのです。
「いい種もよ」
「実るからね」
「だからよ」
それでというのです。
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