命乞い
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
の間、うっかり逃がしちゃったら、誘拐事件を起こしてるしなぁ…お前等、死んだ方が良くない?」
優しい口調、優しい笑顔で近付くリュカ…
「ち、違うんだ!俺達、足を洗う為に最後の仕事として誘拐をしたんだ!」
「はぁ?矛盾しない?」
「き、聞いてくれ!俺達の様な人間が、真っ当に生きるのは難しいんだ!だが纏まった金があれば、悪事をせずに生きて行く方法が見つかるかもしれない!だから、最後に人を殺さないですむ、誘拐を起こしたんだ!その証拠に人質の女には、手を出してないだろ!食事だって与えてたんだ!そりゃ大した物じゃ無いけど…」
「じゃぁ何で、グプタが瀕死の状態だったんだよ!」
リュカがグプタを指差し、問いつめる。
「はぁ?そんなヤツ知らねーよ!誰だよそいつ!?」
本気でキョトンとしているカンダタに、そっと手下の一人が耳打ちする。
「…親分…実は…ジェイブが…」
どうやらグプタの件は、カンダタが出かけている間に起きた様で、本当に知らなかった様だ!
真っ青になるカンダタ。
「ほ、本当に知らなかった!本当なんだ!!俺が居る時なら、そんなに酷い事はさせなかった!ジェイブは短気なんだ!本当だ!許してくれよ!!」
しかしリュカは、もう目の前で微笑んでいる。
カンダタだけではない、他の手下も恐怖で震えている。
「う〜ん……………やっぱりダメ!死んだ方が世の為だよ」
「そ、そんな…お願いします!どうか命だけは!!どうか助けて下さい!!」
カンダタは顔を涙と鼻水でグシャグシャにし、リュカに縋る様に助命を乞う。
「お前等は、そんな風に命乞いをした人々を、何人殺してきたんだ?立場が変わっただけだろ…今更後悔するなよ!」
「そ、そんな………」
そしてリュカがゆっくりと杖を振り上げた………
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ