命乞い
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
カはグプタをゆっくりとタニアの前に立たせる。
「グプタ!」
「タニア!」
互いの無事を喜び抱き合う二人。
「喜んでるとこ悪いけど、早く帰ろうよぉ…僕、こういう湿気ぽい所嫌いなんだ!」
「あぁ、そうだよ!あまり長居すると、他の盗賊共と鉢合わせしちゃうかもしれないぜ!まだ洞窟内には、盗賊団らしき連中が居たからな!」
ウルフが先程、別の場所で見た連中の事を思い出す。
「その中には『カンダタ』は居たか?」
「カンダタ?………奥の方までは見えなかったけど…居なかったと思うよ………何!?この盗賊団ってカンダタ一味なの!?」
リュカの真面目な質問に、ウルフだけでなくアルル達も驚いている。
「…さっき、そんな事を言っていたヤツが居たんだ…あっちの生臭い部屋に…(クスッ)もう何処にも居ないけどね」
リュカの冷たい笑いに、背筋が寒くなるアルル。
「で、では早く退散しましょう!何も今カンダタとやり合う必要は無いわ!」
アルルは慌てて、町へと戻ろうとする。
「な、何だこりゃ!?」
しかし遅かった様で、アルル達は血生臭い部屋でカンダタと鉢合わせをしてしまった!
アルルはグプタとタニアを庇う様に立ち、剣を構える!
「ん!?テメー等…その人質をどうするつもりだ!?」
人質二人を守るアルルに向け、カンダタは殺気を漲らせる。
「バカかお前は!?人質を救出しに来たヤツに向けて『どうするつもりだ!?』は無いだろ!どうするもこうするも、救出するんだよ、バ〜カ!!」
必要以上にカンダタを挑発するリュカ。
「げっ!お前は…シャンパニーの塔の…」
リュカを見るなり、急に怯み出すカンダタ…
彼は盗賊ではあるが、武の道を歩んだ者としての実力も持っている。
リュカを一目見た時から、自分との実力差を感じ取っており、シャンパニーの塔では全力で逃げに徹したのだ!
「テメー!ふざけてんじゃねぇーよ!!」
しかし実力のない手下にはリュカの強さを知る術もなく、何時もの様に息巻くのだった。
「人質を返して欲しかったら、金持って来な!!それと、そのガキが俺の腕を切った慰謝料として、その3人の女を置いてきな!そっちでは金を取らねーよ!身体で払ってもらうからよー!!」
腕に不格好な包帯を巻いた男が、リュカの前で下品に笑いながら恫喝している。
「お、おいジェイブ…よせ…」
カンダタがジェイブと呼ばれるこの男を、止めようとした瞬間…
リュカが振るった杖により、ジェイブの頭が吹き飛び、大量の血液が低い天井へ噴き出した!
「ま、待て!待ってくれ…お、俺の降参だ!アンタと戦って勝てるとは思ってない!人質は返す…だ、だから…俺も、子分達も…助けてくれ!…頼む!!」
カンダタは慌てて武器を捨て、リュカに頭を下げて頼み込む。
「う〜ん…こ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ