暁 〜小説投稿サイト〜
戦闘携帯のラストリゾート
遊花区のシャトレーヌ
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座っていた座布団だけが白いコンクリートに。ところどころ紫煙が吹き出している。

「何これ……毒ガス!?」
【いえ、毒性は検出されませんね。というよりただのホログラムです。ゴミも本物ではありません。見せかけの演出ですね】
「うちらシャトレーヌはバトルフィールドを変更する権利を持っててね? 映像はただの幻やけど、バトルに影響を与えることができるんよ、すごいやろ」

 そう教えてくれるスズの言葉にほっとするのもつかの間、ルビアがリモコンにスキャンしたカードを見せてくる。

「ダストアイランド。どく状態のポケモンをトレーナーが入れ替えたとき、出てきたポケモンもそのどく状態を引き継ぐっていうルールになるんよ」
「……戻したポケモンは?」
「元々状態異常はボールに戻ったら消えるルールよ。まあ『どくびし』がお互いに貼ってあるようなもんかもね?」

 ルビアはすたすたとゴミだらけになった床をなれた様子で歩く。わたしから距離を取って止まると、そこだけが白いコンクリートに変わった。
 わたしも少し歩いてみると、わたしの立つ場所だけが綺麗になって他がゴミまみれになる。……本当に、ただの映像みたい。

「ルールは3対3のシングルバトル。そっちが勝ったら自分で出てってくれて結構。だけどうちが勝ったら、その時は大人しくお縄についてもらおか。引き渡すのはサフィールにやけど」
「サフィールは……自分でわたしを捕まえないと意味がないって言ってた!」
「キュービに会うために、ね。要はあの坊があんたの生殺与奪を握れればええんよ」
「せいさつよだつ、って……」

 聞き慣れない言葉だけど、意味はなんとなくわかる。スズが焦った声を出した。

【正気ですか? もしサフィールがラディを殺したら、ラディを招いたキュービと殺人に関与したあなたが責任を負うんですよ。地方間のポケモンバトルどころか、ポケモンバトルそのものが再び世界から消える流れになることとてあり得ます】
「だからこそ、や。そうなったら困るからサフィールはこの娘を捕まえる。殺されたら敵わんキュービはサフィールと直接会って話をするしかない。ふふ、本気で戦ったほうがええと思うよ? あの坊、お調子者のフリしてるけどやることはやる子やからねえ」

 ……サフィールがわたしを殺そうとするなんて全く思わなかったし、今でも信じられないけど。ルビアの説明したことが真実なら。
 わたしを傷つけることで本当の家族に会えるのなら……やらないなんて言えない。
 だって、もしもわたしが。他人を傷つけることでもう二度と会えない家族に会えるなら。そうするかもしれないからだ。

「……させない。わたしは怪盗として財宝を盗む。サフィールに、人殺しのマネごとなんかもさせない!! あなた達は間違ってる!!」

 だけど、サ
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