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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第7話:一角獣の導き
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弦十郎と慎次が面食らう中、奏は迷うことなくそのユニコーンに近付いていく。
彼女が近付くとユニコーンは逃げる様にその場を離れるが、ある程度距離が離れると足を止め再び奏の方を振り返った。その様子は田舎道で出会ったハンミョウの様、まるでついてこいと言っているかのようであった。
奏は確信した。あのユニコーンについて行けば、颯人の元へ辿り着ける。
「行こう! あいつについて行けば、きっと颯人の所へ行ける!」
迷わずユニコーンの後をついて行く奏に引き摺られる形でついていく弦十郎達。
小さい体ながら意外と速い速度で通路を進むユニコーンに引き離されないようについて行く奏達だが、途中で弦十郎はある事に気付いた。
──この道……司令室に向かっているのか? ──
「叔父様、この道って……」
隣を走る翼も気付いた。慎次も気付いている。気付いていないのはユニコーンを追い掛けることに夢中になっている奏と、訳も分からず走っている響だけだ。
通路を進めば進むほど、その道が指令室に繋がっているように思えて仕方ない。だがもし司令室に颯人が居るのなら、司令室に詰めている誰かが連絡を寄越す筈だ。今司令室にはオペレーターの藤尭 朔也や友里 あおい、更には了子までが居る。
誰からも何の連絡もない、という事は流石に司令室には居ないという事だろうか?
弦十郎がそんなことを考えていると、ユニコーンは徐に一つの扉の前で足を止め奏達が追いつくのを待った。彼女らが追いついた時、ユニコーンは再び嘶き、その扉を見て弦十郎と翼は顔を強張らせる。
一行が辿り着いた場所は、司令室だった。
ここで漸く奏もユニコーンが司令室に向かっていたことに気付いたが、今の彼女にそんなことはどうでも良かった。この先に颯人が居る、その事への期待が圧倒的に強い。
ユニコーンが頭部の角で扉をつつく。まるで早く開けろと言っているかのようだ。それを見て奏は、高鳴る胸の鼓動を抑えつつ扉を開けた。
この先に待つ者の姿に奏だけでなく弦十郎達も神妙な表情になりながら扉の向こうを注視し────
火薬の弾ける音が奏達を包んだ。
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