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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第7話:一角獣の導き
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ら着替えていると、突然馬の(いなな)く声が3人の耳に入った。

「ヒヒーンッ!」

「んん!? 何だ今の?」
「馬の声? ですよね?」
「でも、こんな所に馬なんて…………ん!? 奏、足元ッ!?」
「えっ?」

 明らかに場違いにも程がある馬の声に、困惑しながら周囲を見渡す3人。その中でそいつの存在に真っ先に気付いたのは翼だった。

 彼女の声に奏が自身の足元を見ると、そこには奇妙な奴がいた。

 それは一見すると手の平サイズで青いプラスチックか何かで出来た馬の様であった。だがそれの頭部には体のサイズに不釣り合いな大きさのナイフと言うか剣と言うか、とにかく刃物のような形状をしたパーツが付いているのだ。

 その姿を一言で言い現わすならば、ユニコーンと言うのが最も適切だろう。ただし、角に当たる部分のパーツだけが妙にアンバランスだが。

 そして、その手の平サイズの青いユニコーンの玩具の様な奴は、口にメモ用紙の様なものを咥えていた。

「な、何だ此奴?」
「おぉ、可愛いッ! ここってこんな物もあるんですね?」
「いえ、私達もこんな物は初めて見るわ。ドローンの類とも違うようだけど……」
「つか此奴、何咥えてんだ?」

 着替え途中であるにも拘らず、青いユニコーンに夢中になる3人。

 そんな中で奏は徐にそいつが咥えているメモ用紙に興味を持ちそれに手を伸ばした。奏がそれを掴むと、青いユニコーンはあっさりと口を放した。一切抵抗がないどころかむしろ進んで渡してきた当たり、どうやらこれを渡すことが目的だったらしい。

 さて、ここで問題となるのは、このメモ用紙には一体何が書かれているかという事である。奏は若干警戒しながら、二つに折り畳まれたメモ用紙を開き中に書かれている内容を確認する。

 そこに書かれていたのは────

「『I'm back』? 何だこれ? ………………ッ!?」

 とある映画における俳優の台詞の一つ、それが書かれただけのシンプルなメモ用紙を用いた手紙に最初奏は首を傾げるだけだった。翼と響も同様だ。

 だがその下の方にある宛名らしきものを目にした瞬間、奏は思わず呼吸を止めた。

 そこにはこう書かれていた。『by HAYATO』…………と。

 次の瞬間、奏は自分の恰好も忘れて更衣室を飛び出した。

「旦那ぁぁぁぁぁッ!?」

 後先考えず飛び出した奏を、翼と響は慌てて着替えを終わらせ追い掛ける。

「ちょっ!? 待って、奏ぇぇッ!?」
「奏さんッ!? ちょっとストップ──ッ!?」

 2人の引き留める声も聞かず、弦十郎を探して走り回る奏。不幸中の幸いにも他の職員とすれ違ったりする事無く、思いの外早くに弦十郎の姿を発見できた。

「見つけたッ! 旦
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