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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第7話:一角獣の導き
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がり、彼の姿を覆い隠す。
煙が風に流され視界が晴れると、そこには『thank you』と書かれた紙を咥えたハトだけが残されていた。
少し離れたところから響く歓声、それを聞いた青年──颯人は小さく笑みを浮かべると、誰にも悟られることなくその場を離れるのだった。
「さ〜て、この近くだったよな。待ってろよ、奏」
彼はリディアン音楽院に向け歩き出す。全ては、2年前の約束を果たす為に。
***
ところ変わってここはリディアンの地下に存在する、特異災害対策機動部二課の本部。その一角にある休憩スペースにて、司令の弦十郎がエージェントの1人である緒川とコーヒー片手に雑談に興じていた。
話題は主に“3人”の装者についてだ。
「どうだ? 最近のあの3人は?」
「悪くない感じだと思います。奏さんはまだちょっと彼女に負い目がある感じですが、翼さんは逆に彼女を鍛える事に意気込んでるみたいです」
「ははっ、そうか。翼に気に入られるとは、響君も苦労するだろうな」
現在二課に所属している装者は全部で3人。以前から所属していた奏と翼、そして最近になって偶発的に装者となった、立花 響である。
この響、2年前にツヴァイウィングのライブで起こった事件で奏たちに助けられたあの少女である。あの後奏達と共に病院に搬送され、治療を受けた彼女は無事退院していた。
尤も、退院後に待っていたのは生存者に対する迫害であり、彼女と彼女の家族もその例に漏れず周囲からの迫害に苦しめられた。おかげで彼女は父親が突如として蒸発するなど心に傷を負う事になってしまったが、それでも彼女は真っ直ぐな心を保ち続けていた。
その最大の理由は、あの事件の後に奏が生放送番組に乱入して日本全国に向けてアーティスト生命を賭けて切った啖呵である。
大局的には大きな影響を及ぼさなかったあの啖呵も、部分的には大いに効果があった。
それが顕著だったのは、響と歳の近い年齢の少年少女である。良く言えば多感であり感受性豊か、悪く言えば流されやすい彼ら彼女らは、あの奏の啖呵により徐々にではあるが響への態度を軟化させつつあった。
それでも中には依然として響を貶める輩は存在した。
が、そんな彼女を放って置かない者達が現れだした。
それまで迫害の輪には参加せず傍観を決め込んでいた者達や、理不尽を感じつつも異を唱えることで自分にとばっちりが来ることを恐れて行動しなかった者達だ。
特にとばっちりを恐れていた者達は、奏の言葉で自分達が間違っている訳ではないと考え積極的に響を庇う様になっていったのである。
加えて響自身が学内での迫害に対し毅然とした態度で臨むようになってからは、虐めも次第に終息しだし少なくと
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