第7章:神界大戦
第227話「立ち上がる」
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、緋雪は感じた。
背中を押すような、後ろから支えてくれるような、そんな感触を。
同時に、何かが切り替わったと確信する。
「(……分かる!お兄ちゃんや司さんが“格”の昇華をした時とか、神界の神や“天使”の存在と、私達との“違い”が、はっきりと分かる!)」
“格”の昇華が出来た訳ではない。
だが、今までは漠然としか理解出来なかった“格”の違いが、はっきりと感じ取って理解出来るようになっていた。
「(今まではどこがどう違うのか、漠然としかわからなかった。でも、今は違う。“違い”が分かるなら、そこからどうすればいいか逆算できる……!)」
まるで、一つ上の領域に至った気分だった。
今まで何も見えなかったものが見えるようになり、箍が外れた。
「これなら……!」
〈お嬢様、何を……〉
突然様子が変わり、再び破壊の瞳を掌に出す緋雪にシャルは戸惑う。
そんなシャルを気にせず、緋雪はその瞳を握り潰した。
「ッ……!」
“パキン”と、何かが割れたような音が、緋雪の頭の中に響いた気がした。
実際に音がした訳じゃなく、外見上変化はない。
「……まずは、限界を“破壊”」
〈……!?まさか、お嬢様!?〉
呟かれた言葉に、シャルは驚愕する。
この短時間で、先程まで習得できなかった“概念の破壊”を使いこなしたのだから。
「行くよ、シャル。ここからは、休憩なんてないぶっ続けだよ!」
〈お、お嬢様!?〉
次に“疲労”を破壊して、緋雪はそう宣言した。
まさに疲れ知らずとなった緋雪は、そのまま長時間、“破壊”を使いこなし続けた。
「……それで、こんな時間まで?」
「……はい」
数時間後、緋雪は正座していた。
緋雪に説教しているのは、アースラに戻ってきていた椿と葵、そして司だ。
特に、司は自分が言っておきながら自分も休憩なしだった事に呆れていた。
「はぁ、いくら疲れを“破壊”できるからって、ずっと特訓してたらダメでしょうに。本当、無茶する所は優輝そっくりね」
「……えへ?」
「可愛くしてもダメ!」
優輝に似ていると言われ、若干嬉しそうに笑う緋雪。
しかし、すぐに叱責されて“シュン”と落ち込んだ。
「……とりあえず、“疲れ”の概念を破壊して疲れ知らずになっていたのは分かったわ。物理的な事象だけでなく、概念の破壊すら会得したのね」
「うん。こうでもしないと、お兄ちゃんや司さんみたいに“格”の差を埋める事なんてできないと思ったから」
「……一理あるわ。私や葵、とこよ達も対策を考えていたのだけど、先に貴女が辿り着くなんてね……」
椿達は、霊
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