暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第227話「立ち上がる」
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けられた……か」

 皮肉にも、苦戦していたその法則のおかげで、今こうして生き延びている。
 それを理解して、緋雪は溜息を吐いた。

「私達、本当に神界について何も知らないよね」

〈はい。……それと、今までのログを見る限り、戦闘に参加した全員に思考誘導が掛けられていました。それも、気づかれないように無意識下、それも薄く広く〉

「……だから、お兄ちゃんやとこよさん、サーラさんの認識が甘かった……」

 その類の“性質”がなくとも、理屈を通せば事象を引き起こす事は可能だ。
 “性質”は言い換えれば神界における“適性”なのだ。
 だから、その“適性”がなくとも、術式などを通せば同じ事はできる。
 それを利用して、祈梨及びソレラは優輝達全員に思考誘導を掛けていた。
 影響がなかったのは、突入前に戦線離脱した悪路王ぐらいだろう。

〈さすがに“甘かった”と自覚してからはその影響は見られません。気づかれない事に重点を置いた認識阻害だったようです〉

「言い換えれば、隙を見せればそういった事もしてくる程……か」

 単純に強い者なら、緋雪は何度も相手にしてきた。
 優輝を始め、司や神夜、シュネーの時を含めればオリヴィエやクラウス。
 修行の時もサーラやとこよ、ユーリに紫陽など、多種多様な相手だった。
 特に、術の類を得意とする者なら、搦め手も使われた事がある。
 故に、そういった戦術があることは緋雪も承知で、警戒もできる。

「……決定的な差は、理力とそれに伴う“性質”か……」

 だからこそ、神界の神々とそれ以外の存在の決定的差が理解できた。

「埋めるには、最低でも相手に迫る“格”に昇華する。または……」

〈理力の習得ですね〉

「前者も後者も、理屈すっ飛ばして無理矢理行使するしか方法が思いつかないよ」

 どちらも理論、理屈は皆無だ。
 前者も後者も行った優輝も、そういった理屈は考えていない。
 文字通り“体で覚えた”事で理力を扱えるようになっていた。
 前者なら可能にした司も、理屈を無視した“祈り”を現実に変えただけだ。

「しかも、お兄ちゃんも司さんも実現したのは土壇場。理力が飛び交う神界の戦場で可能にした事だからね」

〈状況もまた成功させた要素の一つ……ですね〉

 “格”の昇華及び理力の習得は、二人の精神状況も関わっていた。
 “ここで成功させる”という土壇場での強い意志が、実現に繋げたのだ。
 その強い意志は、今この場でおいても再現は不可能ではない。
 しかし、状況の方は別だ。

「理力が飛び交い、神や“天使”がいる神界だからこそ、“格”の違いが想像でき、理力の習得が可能だった。……そういう事だよね?」

〈はい。同じ状況を想像しながらなら、再
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