暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第227話「立ち上がる」
[1/9]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話








「……はっ!」

 祈り、魔力を消費し、攻撃を放つ。
 体の調子を確かめるように、司は何度もそれを繰り返していた。

「(……ダメ。これ以上は容易に短縮できない)」

 反復練習していたのは、祈りによるタイムラグを縮めるためだった。
 神界の戦いで、手も足も出せずに敗北した事で、司の弱点が浮き彫りになった。
 元々自覚しており、その克服も頑張って来たが、弱点は弱点。
 マイナスを限りなくゼロに近づけた所で、マイナスな事には変わりない。

「少しでも“溜め”があったら割り込まれる。……でも、どうすれば……」

 祈りの力に依存した戦法なため、それを妨害されると司は弱い。
 普通の魔法も使えるが、それでは決定打を持てない。
 
〈……マスター〉

「シュライン……何か、いい方法はないかな?」

 考え着く事は全てやってきた。
 それでも改善出来ないと思い、司はシュラインに頼る。

〈アプローチの仕方を変えるのはどうでしょうか?〉

「アプローチを……?」

〈はい。例えば……〉

 少し考えるような間を置き、シュラインは答えた。

〈……マスターの、天巫女の力は神界の神々の力に少し似ています。“そう在れかし”と思うが故にそこに発生する理力と、“そう在れかし”と祈るが故に、実現する天巫女の力。見方を変えれば、共通点もあります。そこから考えてみてはどうでしょう?〉

「理力、と……」

 考えてもいなかった事を言われ、司は考え込む。
 神界での戦いを思い返し、確かに似通っている部分があると気付く。

〈二つの違いは、理力に対して天巫女は一つプロセスが多い事です〉

「プロセス……」

 理力の場合、“そう在れかし”と認識し、発生させている。
 対し、天巫女は……

「……祈って、力を消費して、発生……」

〈はい。その通りです〉

 先程のであれば、魔力を消費する。
 その工程が、理力に比べて余分なプロセスとなっていた。

「……そっか。決定的な差があるから、どうしても追いつけない……」

 普通の魔法でも、術式を用意してそこに魔力を通し、魔法を発生させている。
 その術式を短縮すればするほど追いつけるが……それもまた難しい。

「(祈りは天巫女の力において必須。だから削る事はこれ以上難しい。……そもそも、さっきまで私がやっていたのは、この工程の短縮だ)」

 見方を変えた事で、早速分かった事が出てきた。
 どこを削るか、どうすればいいかが、明らかとなる。

「(事象の発生。これはなかったらそもそも“何も起こらない”。つまり、削るとすれば……力を注ぐ工程)」

 余分な工程があるなら、そこを削るのが定石だ。
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ