親しき仲にも礼儀なし
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響いて、わたしはとっさに耳を塞ぐ。
「 」
「
」
【 】
脳を揺さぶるような音のせいで、何を話しているのか聞こえない。
ただ見える景色が間近であの音に当てられて蹲るサフィールと、サーナイトの壁越しにその様を嘲笑うチュニン。
チュニンがもう一度、壁に手をかける。わたしは気がついたら、走り出していた。
「……もうやめて!なんで、こんな事……」
サフィールの後ろに回って、チュニンと向かい合う。チュニンはさっき変装したわたしと顔を合わせたのと同じように首を傾げた。
「さっきの話、聞こえてませんでしたかね? この少年、貴女を狙ってるんですよ?」
「そういう問題じゃない! あんなひどい言い方して、暴力をふるって……それでも、キュービさんと同じシャトレーヌなの!?」
「と、言われましてもサフィールにはいつもこうしていますので」
取り付く島もない、冷たい声。……話しても無駄だ。今のチュニンはわたしを虐めてた姉さん達と変わらない。蹲るサフィールもわたしの言葉もチュニンには響いていない。どういう事情があるかはわからない、こんなの間違ってる。
「サフィール、立てる?」
初めて会った時とは逆、わたしが彼の手を取って助けようとする。
「……大丈夫、慣れてるから。それに君の助けは借りられない。オレは君を、自分のために捕まえなきゃいけないんだから」
その手はサフィール自身の手によって払われた。
ゆっくりと立ち上がり、サーナイトの目が光る。するとサフィールとサーナイトは消えてしまった。テレポートの類だ。
わたしはチュニンを睨みつけると、彼女はため息をつき、つま先で地面をトントンと叩く。
「やっぱり、ずいぶん仲がいいんですね? 敵同士なのに」
「あなたには関係ない!」
「それがあるんですよ。……まあ、続きはキュービ姉さまの城でしましょうか」
「ふざけてるの!? 今からあなたについていくなんて──」
「ご心配なく、無理やり連れていきますから」
チュニンの体が揺れる。地面を思い切り蹴って一気に踏み込んでくる。その動きにわたしはとても反応できない。でも、こっちだって無策じゃない。
ツンデツンデがとっさに反応して、文字通り私を守る石垣になってくれた。
「無駄ですよ!」
「レイ、『まとわりつく』!」
サフィールのリフレクターにやったのと同じ轟音を生み出す掌底を出される前に、ツンデツンデの小さな体がチュニンの動きを阻害する。
バトルリゾートではポケモ
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