親しき仲にも礼儀なし
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とを聞く人形であるかのように言う人もいる。
……でもわたしもクルルクも自分の考えがあって、自分でやり方を考えて盗みをしているんだから。そんな風に言われるのは、嫌だ。
「当然、今は考えを改めましたとも! さ、今すぐバトルしにいきましょう、すぐ行きましょう! チュニンは今日一日おやすみですので!」
「わかった、わかったけど顔が近い」
吐息が感じられるくらい近づくチュニンから離れるついでにレイにアイコンタクトをする。もしわたしを直接攻撃しようとしたらいつでも反撃するように。
……そう、わたしは自分で宝を盗むんだ。チュニンに認めてもらえたからって、気を許すわけにはいかない。
バトルが終わったらそれとなく離れて、今日の予選に関する情報を集めておこう。
「なんといってもリゾートのバトル施設が集中するメインストリートはチュニンの管轄なんですよ! ここで問題が起きたときはチュニンが退治しにいきますし、もし本当に良からぬ輩に襲われたときは遠慮なくチュニンを頼ってくださいね!」
一応、わたしがわたしだとバレないようにさっきの格好につばの広い帽子をかぶって外に出る。
歩きながら、チュニンはバトルリゾートの詳しい地理や普段の自分の仕事を説明してくれる。
ちらりと口に出た彼女の師匠、というのもシャトレーヌの一人であるらしい。とても厳しくて温かい人、というのがチュニンの説明で。厳格な老婦人である、というのはスズからも情報として聞いていた。
「でもバトル施設が管轄って……他のシャトレーヌは何をしてるの?」
「キュービ姉さまはリゾート全体の管理や新しいカードの開発を。チュニンの師匠はポケモンバトルの歴史を記録した資料館や幼子達がポケモンと触れ合う施設の管理を。そしてもう一人は……あー、えーと……スズさん、でしたっけ?」
流暢に説明していたチュニンの口が止まり、なぜかスズに聞く。まさか、忘れたなんてことないと思うけど。
【ご配慮ありがとうございます、と言っておきましょうか。ラディ、本日の予選を担当するシャトレーヌの担当はですね。端的に言うと大人向けの娯楽を提供する場所なんですよ】
……言い淀んだ理由はわかった。というか、このリゾートにもそういうのあるんだ。
「いえ、別にふしだらなことではなく真っ当な酒場やギャンブルや大人の会話をポケモンバトルを交えてする場所ですよ? 遊花区、という名前を付けられただけあって今だとキマワリやキレイハナがあちこちでお出迎えしてくれますし」
「ふーん……」
季節ごとに色んなくさポケモンが美しく並んでいる様はとても評判がいいらしい。なんだか早口になって必死にフォローしている風でもある。そんな話をしながら歩く。
そろそろ昨日サフィールとバトルした建物が見えてき
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