親しき仲にも礼儀なし
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わたしを見て、驚いたように目をぱちくりさせている。
わたしに全く物怖じすることなく瞳を見つめられて、逆にわたしが一瞬戸惑ってしまった。
「……すごい、怪盗っていうだけのことはありますね」
「なんの話! あんまりしつこいと警備員を呼ぶわよ!」
「えっと、大丈夫です。今日はただ昨日のリベンジというか、普通にポケモンバトルをしに来ただけですから! 何か危害を加えるつもりはありません」
両手をあげて笑顔を向けるチュニン。
……とりあえず凄んで見たはいいものの、反応からしてわたしがここにいることはわかってるみたい。
【では失礼して。あなたは今シャトレーヌやキュービックの意思とは関係なく、個人的にラディとバトルしてみたいと?】
「おやあなたは管理者の……ええ、そのとおりです! すいません、起こしてしまいましたかね?」
引くに引けなくなってわたしをフォローするようにスズがわたしのポケットから声を出した。
スズが喋ったことでわたしも別人のふりをする意味がなくなったので、ゆっくり息をついて気持ちを切り替える。
「……ごめん怒鳴って。でも朝からあんなふうにドアを叩くなんて非常識じゃない? 暴漢かなにかかと思った」
無理やり捕まえる気だったのならともかく。もうちょっと穏やかにしてほしかった。
「すいません、予選の役目を終えて一眠りしたもののやはりいてもたってもいられなくて! あの後どうやってあなたとシルヴァディに勝つか考えていたくらいですから」
「それはシャトレーヌとしてまずいんじゃないの?」
「心配無用です! 大体皆さん一体も倒さずに来るかめちゃくちゃ倒して来てマーシャドーの攻撃力に完封されるかのどちらかですから、はっきり言ってチュニンがトレーナーとして考えることはありません!」
「て、適当……」
バトル大会の通過者を決める重要な仕事のはずなのにちょっといい加減な気がする。
【彼女達シャトレーヌはこのリゾートの象徴ですからね、あの場に立って挑戦者を迎える事自体に意味があるのでしょう】
「その通りですね! なのでてっきり、怪盗としてのあなたもそういうものだと思っていました」
「どういう意味?」
「キュービ姉さまの指示した通りに宝を盗み、パフォーマンスでお客さんを盛り上げるためにポケモンバトルをする……という話でしたから。チュニンより年下の女の子ですし、まさかあんな気骨のある方とは露知らず! 実は、初日の対応は師匠に怒られてしまいましたしね」
「……わたしは、お飾りでやってるんじゃない」
チュニンに悪意がないのはわかる。アローラの怪盗は本当の犯罪者ではなく、人々にポケモンの力を駆使して宝を盗み出すところやバトルを見せるための存在。アローラでも、わたしやクルルクをただスズの言うこ
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