第56話
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〜隠れ里エリン・ロゼのアトリエ〜
「まず”新Z組”とは、今から約2年後にトリスタとは逆の位置にある帝都近郊の都市――――――”リーヴス”に建てられる”トールズ第U分校”の学級の一つよ。」
「ト、トールズの”分校”ですか?」
「しかもその”新Z組”はオレ達”Z組”の後輩に当たると言っていたが…………もしかして”旧Z組”というのはオレ達の事か?」
レンの説明を聞いたエリオットは戸惑い、ガイウスは目を丸くして訊ねた。
「ええ。ちなみに旧Z組が通っていた”本校”である”トールズ士官学院”は帝国政府――――――いえ、”鉄血宰相”の意向によって完全に軍事学校と化したそうよ?」
「何ですって!?」
「ハハ…………宰相殿ならやりそうだね…………それよりも、もしかしてその”第U分校”の設立には私が関わっているのかい?」
驚愕の事実を知った周囲の者達がそれぞれ血相を変えている中サラは厳しい表情で声を上げ、疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子は表情を引き締めてレンに確認した。
「うふふ、さすが”Z組”の設立者だけあって察しがいいわね。――――――ちなみにその頃のオリヴァルト皇子は鉄血宰相達帝国政府によって”ヴァンダール家”の代々の使命であった皇族の守護職の任が解かれた事でミュラー少佐も当然護衛から外された事で、オリヴァルト皇子の政治的立場も非常に弱いものになった為、”最後の悪あがき”として本来のトールズの意志を受け継がせる為にも”トールズ第U分校”を設立したそうよ。」
「……………………”本来の歴史”でもヴァンダール家の使命はオズボーン宰相達によって解かれていたのか…………」
本来の歴史でもヴァンダール家の使命が解かれている事を知ったミュラー少佐は複雑そうな表情で呟き
「で、”トールズ第U分校”の設立には当然帝国政府の思惑もあったお陰で無事設立されたそうよ。まあ、その思惑というのがいかにも鉄血宰相らしい思惑だったけどね。」
「…………オズボーン宰相達は一体どのような考えがあって、第U分校の設立を許可したのでしょか?」
意味ありげな笑みを浮かべて答えたレンの答えが気になったアルゼイド子爵は真剣な表情で訊ねた。
「ちょうどセドリック皇太子が入学する事になると同時に徹底改革される事になった”トールズ本校”。そこで受け入れられない厄介者や曰く付きをまとめて使い潰す為の”捨石”。――――――それがトールズ第U分校に求める帝国政府の思惑よ。」
「す、”捨石”って…………!」
「しかも皇太子殿下が入学する時期にトールズを徹底改革するという事は、まさかとは思うが本来の歴史の皇太子殿下はオズボーン宰相寄りの考え方をされているのでしょうか?」
不敵な笑みを浮かべたレンの答えにその場にいる全員が血相を変えている中アリサは信じられない表情で声を上げ、ユ
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