暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第6話:奏、吠える
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間で諍いとなるならともかく、無関係な世間が生存者だけを一方的にバッシングすると言う現状が許せなかった。
しかし奏が何よりも許せないのは、そもそもあのライブを行った自分たちツヴァイウィングに対しては何のアクションも起こしていないくせにただ見に来た観客だけを叩いている事だ。
これで世間が奏たちの事もバッシングしていると言うのであれば、この後の奏の行動ももっと大人しいものになっていたのだろうが、生き残った観客だけを悪者にしている現状は必要以上に彼女の神経を逆撫でした。
故に、奏は行動を起こした。
その日も、テレビで大きく取り上げられているのは先日のツヴァイウィングのライブ会場で起こった、ノイズによる災害を取り扱ったものだった。
被害の詳細確認などもあるが、何より大きく取り上げられているのが被災した生存者が如何に非道かと言うものである。
曰く、生存者は我が身可愛さに他人を見捨てた外道である。
曰く、ノイズよりも生存者の方が悪い。
曰く、生存者に裁きの鉄槌を。
司会やメディアによく顔を出す評論家、コメンテーターが口を揃えて生存者をバッシングし、それに感化された事件と関係ない視聴者が頷く。そして大多数の者はそれに異を唱えることなく、否、異を唱えたことで自分も異端扱いされることを恐れて何も言う事はない。
集団の恐ろしいところは正にそれだ。例え大多数の意見に間違っていると思えるところがあろうと、少数派の意見は多数派に容易く踏み潰されてしまうのだ。
この日も終始生存者へのバッシングだけで番組が終わると、誰もが思っていた。
だが、この日は違った。今この時この瞬間、誰も言えなかった多数派の間違いを正面から指摘する者が現れたのだ。
「ちょっと待ちやがれテメェらッ!?」
突然その生放送番組に乱入したのは、怒髪天を衝く勢いで怒り心頭な様子の奏だった。彼女は並み居る警備員や撮影スタッフを薙ぎ倒しながら番組に乱入すると、カメラの前で堂々と司会や評論家を前に彼らの意見に異を唱える。
「お前らがあの事件の生存者の何知ってるってんだッ!? あの場に居もしなかったくせに、好き勝手言ってんじゃねえっ!?」
「あ、貴女は、ツヴァイウィングの天羽 奏さんッ!? こんなところで何を?」
「何をだ? んなもん決まってんだろ、お前らがアホな事抜かしてるからその間違いを言いに来てやってんだよッ!?」
奏は机をひっくり返す勢いで拳を叩き付けると、右手の親指で自らを指さしながら啖呵を切った。
「いいか、よぉく聞けッ!? 今回の事件、まず文句があるならあたしらツヴァイウィングに言えッ!?」
「はぁっ!?」
「あのライブをやったのはあたしらだッ! 観客は、それを楽しみにやってきただけだッ!
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