暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第6話:奏、吠える
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したカメラの映像だ。

 その映像の中でウィズが上空に手を翳すと、空に無数の魔法陣が現れ次々と爆発が発生し、空からライブ会場に迫っていた飛行型のノイズを次々と撃ち落としあっという間に全滅させてしまった。
 さらに彼は別の魔法でその場から一瞬で会場内に移動すると同様の魔法でノイズを殲滅していくのが別のカメラに映っていた。

 見たこともない攻撃でノイズを圧倒する、ウィズの戦闘力に弦十郎を始め二課の職員は目を釘付けにされる。

「…………凄いものだな。奏、お前はこれを以前にも見たことがあるんだな?」
「見た。忘れもしない。あの時もあいつはあの爆発で、あたしと颯人を守ったんだ」

 厳密には、颯人を守っただけなのだろう。奏は恐らくそのついでだ。

 その事に奏は己の力不足を再認識し、拳を握り締める。こうして力を得たからこそ分かる。ウィズの力は圧倒的だ。あの絨毯爆撃もかくやと言う攻撃に曝されては、自分は何も出来ずに敗北することが嫌でも理解できてしまった。

 それでも幸いなのは、颯人の言葉を信じるなら彼は敵ではないという事だろうか。

「それにしても魔法ねぇ。奏ちゃんの絶唱のバックファイアを請け負った事と言い、この攻撃と言い。是非とも直接会って話を聞きたいところだけど…………」
「な〜に、そう心配しなくてもその内会えるよ。あいつが、颯人が会えるって言うんだ。それまでの辛抱さ」

 そう言って奏は指輪を撫でる。脳裏に浮かぶのは、颯人が別れ際に奏にプレゼントした一輪の花、ダイヤモンドリリー。今は彼女の自室の花瓶に差しているその花の花言葉は、『また会える時を楽しみに』、だ。

 彼は奏と再び会える時を待ち望んでいる。その事が今の奏の心の支え、希望となっていた。
 すぐには会えないかもしれない。だが、きっと再会の時は来る。彼が再会を約束し待ち望んでくれているなら、自分もその時を待ち続けよう。

 奏はそう心に誓うのだった。




 ***




 それから数日、ノイズの襲撃は鳴りを潜めており、一見すると平和な日々が続いていた。

 だが、実際は平和なんてものではなかった。あの事件以降、厄介な問題が発生していたのだ。

 あの事件での生存者に対する、悪質なバッシングである。主にマスコミと評論家があの事件での生存者を一方的に悪者に仕立て上げ、生存者の中には既に住所が割れるなどして周囲から迫害を受ける者が出ているのだ。

 ただあの場で奏と翼の歌を楽しみにし、そして突然の災難を何とか生き延びることが出来ただけの無実な観客たちが、だ。

 その現状を聞き、奏は黙っていられなかった。

 確かにあの事件での死者の中には人災によって命を落とした者も少なくはないのだろう。
 だが、それが当事者の
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