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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第6話:奏、吠える
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着ける必要はないのだが、あの後も奏はその手に指輪を嵌め続けている。
どこか愛しそうに指輪を撫でる奏の様子に、弦十郎は溜め息を一つ吐き表情を和らげると奏に訊ねた。
「それで、本当なのか奏? お前が受ける筈だった絶唱のバックファイア、それを今までお前が探していた明星 颯人君がその指輪を通して全て請け負ったと言うのは?」
「あぁ、颯人は確かにそう言ってた。だからあたしはもう絶唱は使わない。これ以上、あいつに迷惑はかけられないからな」
今回颯人は大きなダメージを負うだけで済んだ。だがこの次もそれで済むとは限らない。いや、下手をすれば彼の寿命を縮める可能性だってある。奏は今後絶対絶唱を使うまいと心に誓った。
奏の決意を感じ取ったのか、弦十郎はそれ以上奏の絶唱使用に関して何かを言う事は止めた。代わりに話を件の颯人自身の事に切り替えた。
「しかし、まさか本当に生きていたとはな。奏、本当にあの時の彼が明星 颯人君で間違いないんだな?」
ライブステージでの戦いの様子は、会場内にある監視カメラの映像からすでに確認している。だからこそ奏が絶唱を使ったことも弦十郎たちの知るところとなったのだが。
そして当然そこには、途中から戦いに乱入して奏に近付いた颯人の姿も映っていた。
そこで漸く弦十郎達は、颯人の存在を確認したのだ。
「あぁ、あれが颯人だ。信じてなかったのか?」
「そりゃそうよ。今だから言っちゃうけど、奏ちゃんが言う颯人君は3年前に遺跡でノイズに殺されてて、連れ去られたっていうのは奏ちゃんの妄想だと思っていたくらいだもの」
歯に衣着せぬ言い方で颯人の生存を信じていなかったと告げる了子に、奏の鋭い視線が刺さる。
だがそれも仕方のない事である。了子だけではなく、弦十郎も含め二課の職員は誰もが同じようなことを思っていたのだ。
当時の彼女にそんなことを言ったら大暴れするだろうことは想像に難くなかったので、誰も口に出すことはしなかっただけである。
以前の奏であればこんなことを言われたら誰が相手だろうと殴り掛かっていただろうが、颯人の生存が直接確認できた今、心に余裕を取り戻した奏は沸き上がった怒りを自らの意思で静める事が出来た。
そんな奏に安堵の溜め息を吐きつつ、弦十郎は彼が使った力に注目する。
「とは言え、依然としてわからないことは多いな。彼がノイズを倒せた事もそうだが……」
「本当にねぇ。どう見てもシンフォギアを使ってる感じじゃないのに、この拳銃みたいなので次々とノイズを倒しちゃうなんて。これも彼と一緒に居た仮面の男の言う、魔法ってやつなのかしら?」
そう言いながら了子は手元のコンソールを操作してモニターにある映像を映した。それは会場の外、ビルの屋上に立つウィズの姿を映
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