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ドリトル先生の林檎園
第五幕その十一

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「だからこうしてね」
「他の宗教の場所に行ってもいいね」
「そして神聖なものを感じてもね」
「それでもいいね」
「いいよ、僕はそう考えているよ」 
 本当にこう考えているのが先生です。
「心からね」
「そうだよね」
「それが先生の考えだよね」
「その考え正しいと思うよ」
「そうあるべきだよ」
「そうだね、あと実は」
 先生は皆に笑顔でこんなこともお話しました。
「信玄さんはこの大社に縁が深いことはお話したね」
「ええ、前にね」
「まあ乗っ取ることはよくないにしても」
「戦国時代だしね」
「相手も領主さんでもあったし」
「それならね」
「今言っても仕方ないしね」
 皆もそうしたことは納得しています。
「そのことはね」
「もう何を言っても仕方ないし」
「それはそれね」
「そういうことでね」
「この人はこの大社に縁が深かったけれど」
 あらためてお話する先生でした。
「お坊さんであったんだよ」
「あっ、信玄さんって出家してね」
「お坊さんになったお名前だったね」
「お坊さんとしてのお名前で」
「本来の名前は違ったね」
「そうだよ、お坊さんであったけれど」
 つまり仏教の人だったというのです。
「これがね」
「そこも日本ならではよね」
「そういえば謙信さんも神様になってるけれど」
「出家したから謙信さんで」
「そこは本当に日本だね」
「何しろ歴代の帝も」
 神道の本家本元であられる方々もというのです。
「出家されてるしね」
「だから法皇だったね」
「最初ローマ法皇かなって思ったけれど」
「これが違うからね」
「帝が譲位されて上皇になられて」
「出家されて法皇になられるんだったね」
「そこは違うね」
「どうしても」
「そう、だから神道にいても出家してもいいんだ」
 仏門に入ってもというのです。
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