暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生の林檎園
第五幕その七

[8]前話 [2]次話
 そしてです、先生にあらためて尋ねました。
「じゃあここも神聖な場所なんだ」
「大社の中でも」
「そうした場所なんだね」
「そうだよね」
「そうだよ、一見普通の渡り廊下だけれど」
 それがというのです。
「実はね」
「特別な場所で」
「それでだね」
「神聖な場所でもある」
「そういうことだね」
「そうだよ、ではこのまま歩いていこうね」
 その特別で神聖な廊下をというのです、皆でその境内を歩いていってそうして新たな場所に向かいます。
 皆は次は境内に出ましたがふとです。
 小石が敷かれ神社に相応しく石の境内の中に入り周りの木造の社達を見て動物の皆は先生にここでも尋ねました。
「あの、何かね」
「ここの境内ちょっと違うね」
「独特な造りしていない?」
「他の神社と違って」
「そうだよね」
「うん、諏訪大社はね」
 先生はここでも皆にお話しました。
「他の神社とは違う系統が入っているから」
「神様にだね」
「それでなんだ」
「境内の造りも他の神社と違うんだ」
「神社の造りはしていても」
「色々と違うんだ」
「そんな場所なんだ」
 こうお話しました。
「ここはね」
「成程ね」
「それで何か違うんだ」
「神社の境内は境内でも」
「それでもだね」
「そうだよ、そしてここでのお願いはね」
 今度はこちらのお話をする先生でした。
「大きなお願いでないと駄目と言われてるんだ」
「大きくないとなんだ」
「駄目なの」
「それはどうしてかな」
「どうして大きくないと駄目なのかな」
「大きなお願いってことか大きな声かは」
 それはというのでした。
「ちょっと諸説あるかな」
「大きなっていっても色々だしね」
「お願いかも知れないし声かも知れない」
「ちょっとそこはね」
「色々言われても仕方ないね」
「この辺り日本語の面白さだね」
 こうもお話する先生でした。
「そうだね」
「確かにね」
「日本語そこが難しいよね」
「日本語独特の言葉の合わせがあったりするし」
「英語とはまた違った形でね」
「そういうのもあるしね」
「そう、だからね」
 それでというのでした。
「そこはわからないよ、ただこうした場合は」
「大きな声で大きなお願いを」
「そうすればいいね」
「どっちかわからなくても」
「両方を一度にすればいいね」
「そう、だからね」
 先生は皆に笑顔のまま言いました。
「ここは皆で大きな声で大きなお願いをしようね」
「うん、じゃあね」
「今からそうしましょう」
「大きな声で大きなお願いをしましょう」
「皆でね」
 皆でお話してです、そしてでした。
 先生も皆もお賽銭を入れて手を合わせてからでした、お願いをしました。ただ先生と皆のお願いは別でした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ