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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
最高に最低な──救われなかった少女 T
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の問い掛けだったようだ。
「その理由が分かれば良かったんだけどねぇ。ま、難しい──」
苦笑する俺の語尾を遮るようにして、理子が口を開いた。
「……たぶん、あれだと思う。《イ・ウー》の中でたまに話題になるんだけど、緋緋色金に関する『緋色の研究』かも」
「それとアリアに、繋がりがあるの?」
「んーん、分かんない。ただ、聞いたことがあるから……。でも《教授》が珍重にしてるってことで、その線はあるかなぁ」
理子が小さく首を横に振ると、ツーサイドアップの金髪がしゃらんと揺れた。虚空のキャンバスに、大小様々と弧を描いてゆく。
……しても、緋緋色金、ねぇ。《大刀契》ならまだしも、アリアに関係があるのか、という話なのだが。
「……こればかりは、本当に分からないか」
呟き、零す。僅かな音響だけが鼓膜を震わせて、一瞬の静寂が訪れた。彼女も口を閉ざしている。下手に話せはしないのだろう。
ともすれば、話題を戻そうか──《魔剣》のことに、ね。
「それじゃ、今度こそ《魔剣》の話。話題を変えて悪かったね」
「あっくんが謝ることないよ。それで、何が知りたいの?」
「《魔剣》の目的は《イ・ウー》の目的か、ってことさね」
資料によれば、《魔剣》が白雪を狙う理由は──
「『希少価値の極めて高い、金剛石の素を手に入れたい』。《魔剣》はそう、理子に話したようだね。合ってるかい?」
「そうだよ。その『金剛石の素』は間違いなく……、あっくんたちが護衛してる、星伽白雪のこと。正確には、その能力だけど」
「能力、って……どういうことだ」
「んーとね、」と理子は前置きした。
「鬼道術──って聞いたことある? 妖術の一種なんだけど、《魔剣》はそれを狙ってるの。……あ、ごめん。ちょっと語弊があったね。正確には、星伽白雪の持つ、刀術かなぁ」
それを聞き留めると同時に、資料の一節が、鮮明な画像のように浮かび上がってきた。それはまさに、点が線になった証左だ。
『《魔剣》は秘密組織イ・ウーの研鑽派に所属しており、己の能力を高めるための活動を行っている。また、高貴な一族の末裔であり、騎士として振る舞っている。主武装は刀剣類が主で──』
「……そうかぁ。そういう、ことか」
刀術は流派こそ異なれど、扱う武具は『刀剣』だ。
あまつさえ《魔剣》は、騎士である。《研鑽派》であることも考慮すれば、その理由は単純明快だ。
そして、《イ・ウー》は星伽白雪を欲している。それは《研鑽派》にも《主戦派》にも同じことが言えるのだ。
《研鑽派》に白雪を招けば、相対的に己の能力の向上を図ることが可能になる。《主戦派》に白雪を招けば、1人の戦力として、野望を達成する近道にも成
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