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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
最高に最低な──救われなかった少女 T
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ようにして、玄関の扉の開閉音と、誰かの足音が聞こえる。
時間を見るに、来たのは理子だろうね。いよいよだ──。
◇
「──さて、まずはともかく、久方ぶりだ」
「んと……、ハイジャックぶりだね。あっくんは元気してた?」
「なんとか、ね」
隣に腰掛けている理子を一瞥しながら、俺は今さっき受け取った大判の封筒──司法取引での資料だ──の中身を取り出した。
右上がホチキスで留められている。内容を脳内に叩き込むためにも、 速読でざっと目を通しておこう。見出しの数々は、知的興味心を抱かせるのには事欠かない。
理子は今日も今日とて、武偵校の改造制服を身にまとっている。
そうして、床に足が付かないのだろうか。やり場がなさそうに、ブラブラと虚空に浮かせていた。
表情に緊迫感は感じられず、およそ親友の家に遊びに来たような、和やかな雰囲気を漂わせている。
彼女はおもむろに脚の動きを止めると、俺の肩を小さく叩いた。
「ところで、あっくんの
彼女
(
アリア
)
はどったの? もしかして別れちゃった?」
「いきなり何を言い出すんだ……」
「理子、実は気になってたんだよねー。それで、どうなの?」
別れるなんて、まさかねぇ──、と苦笑した。
大まかな内容を反芻し終えた資料は、テーブルの上に投げ置く。誰に言われずとも、口の端が緩んでいるのを感じた。
それだけに、この資料の中身は──自分たちにとって有益そのものなのだと、再確認させられるのだ。
「今日ばかりは、アリア以外にも総じて出払わせてるよ。対談は、最初から2人きりでするつもりだったからね」
「となると、何をしても邪魔が入らないんだぁ。ふっふーん、これは良きことを思いついてしまいましたなぁー?」
「……余程のことがなければ。それより、何をするつもりだい」
「うん? 2人きりでえっちぃこと!」
理子は満面の笑みでそう言い放つと、アリアが居ないのを良いことに、見境なく俺の腕に抱きついてくる。
アリアが居れば間違いなく、銃を使った室内戦に発展するだろうね。やはり出払わせといて正解だった。
しても、どうして理子は嬉嬉としてこういうことを言えるのだろうか。色々と軽々しいと思うね。誰にでも愛想を振り撒いているのなら、いったいどれが本心なのだろうか。
「……理子は誰にでも、こんなことをしてるのかな?」
「んー。んーとね、理子の好きな人にだけだよ?」
「……はぁ?」
これが本心、なワケないだろう。……そう、ブラフだ。こんなのはブラフにすぎない。そもそも理子は俺がアリアに好意を寄せていることを知っているのだから、俺を狙う意味が掴めない。
「だから、あっくんだけだよっ。くふふっ」
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