暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第4話:迫る分岐点
[5/5]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
、今にも死にそうな少女に声をかけ続けた。
「死ぬな! 死んじゃ駄目だ! こんな、こんな────!?」
血を滴らせ、身動ぎしない少女に、奏は3年前の颯人の姿を重ねた。
その瞬間、彼女の口は自然に動き『あの言葉』を口にした。
「『こんなところで生きるのを諦めるなッ!!』」
その言葉は、嘗て己が言われた励ましの言葉。家族を目の前で失い、生きる気力を失いつつあった自分の心を奮い立たせてくれた、魔法の言葉だった。
嘗ての自分に掛けられた魔法が少女にも通じたのか、少女は薄らと瞼を開く。
その事に奏は僅かに安堵するが、状況が最悪なことに変わりはない。このままでは少女は出血で死ぬか、ノイズに炭にされて死ぬ。そうなる前に、決着をつけなければならない。
そこまで考えた時、奏の中で決心がついた。一つだけあるのだ。この状況を打開する手立てが。
だがそれは、奏自身の命を引き換えにした行為だ。やってしまえば、彼女は助からない。
だがそれでいいのかもしれない、と奏は思っていた。このままでは被害は広がる一方だ。
ならば、ここで『最後の歌』を歌って会場に居る全てのノイズを道連れにしてやればいい。
勿論心残りがないとは言わない。相方の翼の事は心配だし、未だに見つけること叶わぬ颯人の事だって心残りだ。
しかし、ここで我が身可愛さに取れる手段を取らずにいたら、その方が後悔する。それだけは許せなかった。
──ごめん、颯人。見つけてやれなくって。あたし、お前の希望にはなりきれなかったよ──
奏は心中で颯人への謝罪を口にし、そして、諸刃の刃とも言える歌を口にした。
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ