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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第4話:迫る分岐点
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は嘗て己を連れ去ったのと同じ効果の指輪──転移の魔法でその場を後にする。

 その場に残されたウィズは、暫しドームを遠くから眺めていたが、不意に上空に目を向けると右手に嵌めている指輪を付け替えてベルトのバックルに翳した。

「少し、数を減らしておいてやるか」
〈エクスプロージョン、ナーウ〉

 音声が響きウィズが上空に手を翳すと、無数の魔法陣が現れ次々と爆発。それにより上空からドームに向かおうとしていたノイズは次々と撃ち落とされ、空からドームに近づこうとしていたノイズはその数を見る見るうちに減らしていくのだった。




 ***




 一方、騒動の現場であるドームは酷い有様だった。突然の爆発と同時に姿を現したノイズにより、観客は次々と炭に変えられ分解されていく。

 さらには逃げようとする観客同士が互いに押し退け合った事で押し潰されるなどの二次災害が発生し、被害は加速度的に広がっていった。

 そんなドームの中心で、ノイズの群れを相手に立ち回る二つの人影があった。
 言わずもがな、装者である奏と翼である。彼女達はたった2人ではあったが、ノイズを相手に正に一騎当千の活躍をしていた。

 奏は手にした槍を振るい、次々とノイズを切り裂き穿ってその数を減らしていく。が、唐突にその槍から輝きが失われていった。

「クソ! 時限式はここまでかよッ!?」

 奏は投薬治療により無理矢理装者となった。それ故の弊害か、彼女が全力を出して戦える時間には制限があったのだ。

 しかも今回は、その肝心の薬品であるLiNKERを使用していなかった。それ故、いつもより早くに制限時間を迎えてしまったのだ。

 それでも彼女は戦い続けた。全力を出すことはできずとも、ノイズを倒すことはできる。そう考え槍を振るいノイズを切り裂き続けたのだが────

「きゃぁっ!?」
「ッ!?」

 突然背後の客席が崩れ、それに巻き込まれたのか観客の少女が1人ステージ近くに落ちてきた。幸い大きな怪我はないようだが、彼女の存在に気付いたノイズが襲い掛かろうとしている。

「んなろうっ!!」

 奏は素早く少女の前に躍り出ると、彼女に襲い掛からんと向かってくるノイズを次々と切り裂く。

 だがノイズ共は、まるで奏が思うように動けなくなっているのを理解しているかのように彼女を……正確にはその背後に居る少女を重点的に狙い始めた。

 奏も負けじと槍を回転させてノイズの突撃を防ぐのだが、その攻防の最中、戦闘の余波で飛び散った破片の一つが少女の胸に突き刺さり少女の胸に赤い花が咲いた。

「あっ!? おい、しっかりしろ!?」

 力なく倒れぐったりとした少女を、奏は抱き起し必死に声をかける。その状況に奏は既視感を覚えつつ
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