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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二十六話 決戦に向けて準備です。
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に言う。

「そういうことだ。(もっともこれは俺たちにも言えることだがな。)」

 この時、フィオーナとティアナは初めてイルーナの壮大な構想の一端に触れて愕然となった。なるほど、原作ではヤン・ウェンリーのみが主力を残している格好になり、かえってそのために帝国軍は手痛い打撃を被っている。
 ところが今回イルーナは自由惑星同盟にあえて余力を残させる方針を取ってきた。補給部隊に対する強襲はさすがに彼女の想定外だったであろうが、それとても積極攻勢を行って艦隊を追い回していれば、いつまでたっても決着がつかない。
 しかし、自らの身そのものを餌として敵中に侵攻すれば、いずれは敵とぶつかることになる。
敵に仕掛けもせず、惑星を制圧せず、ただ進撃し続ける。
 それがロイエンタールの言うところの結論のためにしいた布石だとしたら――。

「フィオ。さすがはイルーナ教官だわ。なんというか、そこまでお見通しだったとは、ある意味怖いくらいよね」

 ティアナがそっとささやいた。フィオーナも同じ思いだったのだが、あえてうなずく程度にとどめておいた。
 と、そこへ数人の従卒がサロンに現れ、ラインハルト元帥が全提督をお呼びですと告げた。一同はグラスを置くと、サロンを出て会議室に向かった。

* * * * *

「自由惑星同盟と称する反徒共を追って、1万数千光年、卿らの働きで自由惑星を制しつつある。感謝に堪えない」

 敗戦続きだというのに、ラインハルトは穏やかな声だった。敗戦を潔しとしない諸提督にあっては、意外なことと、感謝と恥ずかしさに顔を伏せるものが多かった。

「気にするな、私とて手痛い敗戦を味わったことはある。だが、そろそろ苦い敗戦を味わうのにも飽きてきた頃合いだ。卿らと共に惑星ハイネセンとやらで、美酒を味わいたいものだ。勝利という名のな」

 傍らに立つイルーナは、ラインハルトの眼が変わったのに、気が付いた。

「そこで、私は改めて全軍に下達する。必勝かつ必死の信念を徹底させ、総力をもって自由惑星同盟と決戦し、これを完膚なきまでに殲滅する!!」

 ラインハルトの凛とした声が朗々と全提督の頭上に響き渡った。

「むろん、気概だけではどうしようもできないことは承知の上だ。そこで私から作戦方針を提案し、卿らの意見を聞きたい」

 ラインハルトは副官のリュッケとアリシアに目で合図を示す。二人はディスプレイを操作して、ある恒星系を示した。

「ヴァーミリオン星域・・・・。」

 つぶやいたフィオーナの言葉にラインハルトはうなずいた。

「そうだ。この恒星系は一部小惑星帯を除いては、障害物も何もなく、広く艦隊を展開するのに適している。ここに大軍を集結させ、同盟軍と雌雄を決するのだ。・・・・ミッターマイヤー!」

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