第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第21弾 刃と刀(エッジ・トゥ・ブレード)
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かれた弾倉から、煙幕が展開される。
今回俺が蹴り飛ばしたのは、煙幕弾倉。
何を隠そう、お手製の武装第2弾だ。
「……チッ。煙幕か」
煙に覆われ、姿が見えなくなった周二のボヤキが俺の耳に届く。
俺はそこへ駄目押しするかのように、再装填したベレッタから音響弾を撃ち込む。
放たれた音響弾は、キィィィイン! という甲高い音を倉庫内に響き渡らせた。
恐らく相手を撹乱できているであろうこの隙に、俺は周一の元へと駆け寄る。
「……大丈夫か?」
「なんとかな……」
「俺たちも援護するから、あいつを……お前の弟を逮捕しよう」
今の周一にとっては複雑、且つ選択の厳しい言葉だったであろう。
しかし、今の俺は否応にもこの言葉をかけるしかなかった。
「……ああ。そうだな。アイツにはきちんと罪を償わさなきゃ……だな」
そう言った周一の瞳には、“覚悟”が写り込んでいた。
「……辛いかもしれないが。良いんだよな?」
「当たり前だろ。それが、一族として……いや、1人の兄としてやるべきことなんだから」
そう言い切った周一は、再び刀を構える。
「援護、頼むぞ」
「了解した」
俺は右手のベレッタをホルスターに仕舞うと、腰のホルスターからDEを抜き出した。
「行くぞ」
周一の言葉に合わせ、俺と周一は走り出す。
そして、未だに晴れない煙幕の中へ足音を殺したまま突入する。
直後、俺の“カン”が危険を察知した。
「……?!」
そして、俺の眼前には物凄い速度で迫り来る、刀剣の切っ尖が現れた。
「……しまった!」
死の危機に瀕した俺の耳には、周一の言葉さえも届かなかった。
これは、いくら何でも避けきれない……!
流石にこれは……死んだ???
そう思うよりも早く、俺の全身の血流は狂戦士に支配される。
そして、俺の眼前では火花が飛び散った。
その後、自身の右後方で何かが跳ね落ちた音がした。
「……何だと」
「今のを……逸らした……?」
徐々に感覚を取り戻した視界には、驚愕の表情を浮かべる周二と周一の姿が映った。
……そうか。俺は今、とっさの判断でDEと刀をぶつけた……否、DEで刀剣を殴って太刀筋をずらしたんだ。
流石の自分でも、コレばっかりは信じられないわ。
あの一瞬で、高速で迫る刀を逸らすなんて、さ。
暫し固まっていた俺だったが、顔色1つ変えることなく、左手のベレッタを周二に向け、その引き金を引いた。
しかし、その9mm弾は、周二を捕らえることは無かった。
ギリギリのところで、周
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ