第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第21弾 刃と刀(エッジ・トゥ・ブレード)
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いま、妖刀の奴……なんて言ったんだ?
周一のこと、兄さんって言ったのか?
「久し振りだね兄さん。元気にしてた?」
その言葉に、周一はそっと刀を構える。
「うるせ。こっちとて、お前とこんな話ししにきたわけじゃないんだよ」
「じゃあ、どうするんだい?」
妖刀???周二の言葉に、周一はこう返すのだった。
「『妖刀』、お前を未成年者拐取未遂罪、並びに銃刀法違反で逮捕する」
その時の周一の顔は……普段からは想像もできない顔だった。
鑑識科では、絶対に見せない……顔だった。
「周一……」
「悪い、コイツは俺に任せてくれないか」
こちらを向くことなく、周一は告げた。
「じゃあ、始めようか」
周二は、凛音をそっとその場に横たわらせると、棚の上から降りてきた。
「本当に久し振りだね。こうして向かい合うのは」
そう言った周二も、ワルサーをしまうと、1本の刀を抜いた。
「どちらが相応しいか決めようぜ。千葉の後継として」
その言葉を合図に、2人は駆け出す。
直後、火花が激しく散り始めた。
「……互角……なのか?」
俺は、次元の離れた2人の戦いに魅入っていた。
「シュウ君」
そんな俺のもとに、マキと歳那がやってきた。
「大丈夫ですか」
「ああ。とりあえずは」
痛む脛をさすりながら、そう答えた。
「しかし……何があったんだ、周一は」
「それは……」
と言った、歳那が話し始めた。
「『妖刀』こと、周二は周一の弟です」
「歳那は面識があるのか」
俺の言葉に頷いた。
「凛音も同様に面識があります」
「皆んな、幼馴染だって言ってたもんな」
「はい」
俺は、昨日の言葉を思い出しながら言った。
「で、何があったんだ?」
「はい。アレは半年ほど前。周一は一度だけ強襲科に在籍していました」
……丁度イギリスに行ってた頃だな。
「アイツがか?」
「はい。周一は元々は前線向きの武偵なんです。故に、彼は強襲科でもSランクを記録しました」
そう教えてくれた。R寄りの、と付け加えて。
「聞いたことがあるよ。3日だけ在籍してた凄い人がいたって話」
マキが、横からそう言った。
「そうです。周一は3日で強襲科を辞めました」
「なんでまた?」
「……周二を守れなかったから、と言っていました」
「そこに関しての詳細はわかるか?」
少しだけ……、と言って歳那は答えてくれた。
「5人程に襲われ、周二が連れ去られたとだけ言っていました」
「そのことを引き摺って、前線に立つことを辞めた
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