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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
屈服編 妖艶な女盗賊は、淫靡に乱れ命を宿す
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 ――ジルフリーデ達が城下町に到着する、約3ヶ月前。
 聖国各地を転戦し、帝国兵の支配下に置かれていた町や村を、次々と開放していた彼女達4人は。連戦を避けながら次の目的地に向かうため、帝国軍でさえも知らない洞窟へと潜り込んでいた。

「は、はぁっ、ふぅ、はぁっ……!」
「あらあら、もうおしまい? やっぱりお姫様に剣の手解きは、少々荷が重かったかしら」
「まっ……まだまだ! もう1本ですわッ!」

 その最奥に広がる、蒼い輝きを放つ地底湖のそばに宿場(キャンプ)を設けた後。食事の準備を進めているラフィノヴァとベーナゼットを尻目に、ジルフリーデとロザヴィーヌは「手合わせ」を始めていた。
 しかし、圧倒的な経験値の差はジルフリーデの才覚を以てしても、埋め切るには至らず。絶えず洞窟内に剣戟の音が反響する中、姫君は元王女の義賊を相手に、1本も取れずにいた。

 幾度となく挑み掛かる彼女の刃を、ロザヴィーヌは白い胸を揺らしながら巧みにかわし、軽く足を引っ掛けるだけで転倒させてしまう。

「うあぁっ!」
「剣と盾だけで戦おうとしてるうちは、『達人』にはなれないわ。……武器を握るあなた自身も、武器になる。それを覚えておきなさい」
「くッ……!?」

 あらゆる力技をいなす、流麗な返し技。その妙技に翻弄されながらも、ジルフリーデは持ち前の身体能力だけで差を埋めようとしていた……の、だが。
 槍の柄で彼女の足を払い、簡単に姫君の体勢を崩してしまったロザヴィーヌは。

「己自身も武器にするとは……こういうことよッ!」
「きゃあぁっ!?」

 その白く扇情的な脚で、弧を描くように。胸の果実を弾ませながら、無防備な背後を晒してしまったジルフリーデに、回し蹴りを見舞ってしまう。

 たまらず宙に浮いてしまった姫君は、そのまま敢えなく地底湖に落下。文字通りの「水も滴る絶世の美女」として、息を切らしながらも這い上がってきた。
 蒼い煌めきを放つ水面(みなも)が、その艶かしい肢体を照らし、ただ濡れているだけの彼女に扇情的な印象を齎している。

「ぷっ……はぁあっ!」
「もし私が敵なら、今ので計45回は殺されてるわね。もしくは……犯されてるわ。奴らは、そういう連中よ」
「……ッ!」
「でも、生きている限り負けじゃない。死なない限り、逆襲のチャンスは必ずある。私はそう信じてる」

 そんな彼女が帝国軍に捕まれば、どうなるか――。その先を想像し、神妙な表情を浮かべるロザヴィーヌは、ジルフリーデに手を差し伸べ彼女を一気に引き上げた。

「だからあなたも奴らに勝ちたいのなら、何としても生き抜く術を身に付けることね。私にすら勝てないようじゃあ、奴らに囲まれた瞬間に『慰み者』確定よ」
「分かっていますわ……ロザ、もう1本お願いします
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