銀の弾丸
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はなくポケモンカードが持つ様々な要素が絡んでくるということ。
今朝から調べて、迷路で出会ったポケモン、マーシャドー、そして予選の名前からマーシャドーの強さの秘密はわかった。
(……よるのこうしん。カードゲームでは同じ技を覚えているポケモンが倒されるか捨てられている数が多いほど威力が上がる技)
わたしの知る普通のポケモンバトルには存在しない技だ。GX技でもない、そこまで強くない未進化ポケモンの技。
だけど、カードゲームにおいてはいろんな方法でポケモンを捨てる(トラッシュ、というらしい)ことで強大なポケモンまで倒してしまうという。
カードゲームのマーシャドーには専用の特性があって、捨てられた進化していないポケモンの技を使うことができる。
それを利用してマーシャドーがよるのこうしんを使い、倒されたポケモンの数だけ攻撃力を倍増する、というギミックを構築したみたいだ。昨日予選を通過した人はいち早く気がついて、かつ攻略法を実践できたということだ。
【昨日ラディが戦ったときは恐らく十数倍まで跳ね上がっていたのでしょう。しかし倍増する、ということは一体も倒さなければ攻撃力は0倍。そしてチュニンの使うポケモンはマーシャドーだけ──つまり、バケッチャ、バチュル、ランプラーを倒さずゴールまでたどり着けばその時点で第一予選通過確定。スターミーの速度ならスズのルートに従えば確実にポケモンの攻撃を振り切ることができます。それでも、やるんですね?】
「……我儘だよね、わたし。スターミー。お願い」
真正面に現れたバチュルの群れを、スターミーがうずしおで巻き上げて冷凍ビームで氷漬けにする。倒されたバチュルが赤い光になって消えた。多分今ので4体。もう後戻りはできない。
【許される我儘でしょう。元はといえばキュービックがあなたを騙して連れてきたのが悪いんです】
「そこ、スズも同罪だからね」
【これは手厳しい。ともかく、あなたの意思をできるだけ否定はしませんよ。あなたが傷つかない範囲ならね】
今わたしがするべきは確実に第一予選をクリアすること。マーシャドーと戦わずに済むならそうすべきだ。変装中の怪盗として、無駄なリスクを負う必要なんて何一つない。
でもわたしは、ポケモンバトルで人を楽しませるための怪盗なんだ。そして昨日、がっかりさせてしまった相手が一人いる。
“無理はしないでくださいね”
泣きそうな顔で降参するわたしを見て、彼女がどう思ったかはわからない。気を遣ってああ言ってくれたのだから、最初から期待なんてしていないのかもしれない。でも少なくとも、困らせてしまったはずだ。
だからわたしは、わたしのやり方であのマーシャドーを倒して。チュニンさんを驚かせてみせる。マーシャドーと、彼女と戦うことから背を向けるなん
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