百鬼夜行の主
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、負けたときのわたしは泣くのを我慢しているように、辛そうに見えたんだ。それくらい、弱くて情けなく思われたんだ。あの勝負を見ていたキュービさんや他のお客さんにもそう思われたかもしれない。そう思うと、怖くて怖くて仕方なくなる。怪盗の仕事を果たせないことよりもスズやキュービさん、みんながわたしの事嫌いになるんじゃないかって。そんな自分も嫌になる。
あんなこと言わなければよかったとも思う。キュービさんの言うとおり、八百長で宝を盗むふりだけすればこんなふうに怯えなくてよかった。素直に一週間リゾートを楽しめたのにって。
でも、それじゃわたしは自分を怪盗だとも思えなくなる。だから、やらなきゃいけない。でも今は、レイがわたしを隠してくれる今だけは──
「怖いよ、レイ……わたし、どうしてあんなこと言っちゃったのかな……」
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