百鬼夜行の主
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よぎるのはGX技の存在。わたしが調べた限りGX技はバトル中に使用した技の回数を多く要求するものほど威力が高いということ。ならまだ影撃ち一回しか使っていないマーシャドーにはそこまで強力なことは出来ないはず。
だけど、わたしは忘れていた。伝説のポケモンや幻のポケモンは、何かしら特殊で強力な技を持っているってことを。
「その魂を見定めるは七星の使者! 悪しき力には正しき拳を、邪なる願望には聖なる絶望を! 『シャドースチール』!!」
まるで魔法を唱えるように高らかに宣言された技とともに、マーシャドーの陽炎のようなものがハッサムに伸びる。すると『鉄壁』による輝きが一瞬にして消え去り、逆にマーシャドーの体が水銀のような揺らめく銀色の光を放つ。
「お願い……耐えて!」
マーシャドーの姿が消え、守りを固めるハッサムの足元に出現する。大きさだけ見ればハッサムなら簡単に踏み潰せそうなほど小さいのに。
渾身の──というほどでもなさそうな、腕を軽く振り上げただけのアッパーが。メガシンカしたハッサムの体を天井まで激突させて、翅を広げるだけの余力も与えず、虫のカゲロウが寿命を終えるようにあっさりと地面に落ちた。
スターミーも、ハッサムも、ぎりぎり耐えられなかったなんてレベルの威力じゃない。どう考えてもオーバーキルのダメージを受けている。
「さあ、あと一体ですね! 次はどんな手を見せてくれますか!?」
ハッサムをボールに戻す。多分さっきの技は能力の上昇を無効にするタイプの能力があるのはわかる。先制技として影撃ちを持ってて更に格闘技もおそらく使える。
……グソクムシャのであいがしらなら、『影撃ち』を超える速さで一撃いれることもできるだろう。でも、ゴースト・格闘に虫タイプの技のダメージはほとんど通らない。
ルカリオのバレットパンチなら、もしかしたら先手を取れるかもしれないけど倒せなかったら、ほぼ確実に影撃ちの一発だけで倒されてしまうはず。
ツンデツンデの防御力はすべてのポケモンの中でもトップクラスだけど、格闘タイプの技は大きな弱点だ。ポリゴンZも同じこと。
他にも手持ちはもう一匹いるけど……勝てる可能性は……
「……降参、する」
「まだ勝負はおわっていないですよ! むしろようやく1対1になったところ、ここからが腕の見せ所、まだまだ諦めるには──」
「……まだ挑戦するチャンスはある。だから、今は……余計に瀕死にさせたくないし、早くこの子達を治してあげたい。大切な、ポケモン達だから」
激励するようなチュニンと、わたしの目が合う。チュニンは一瞬悲しそうな顔をした。……今のわたしを見て何を思ったのか、怪盗だと気づかれているのかもわからないわたしにはわからない。
「あー、わかりました! そうですね、
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