行進は流れ星のように
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、助走をつけてスターミーの上に飛び乗る。発生させた波へサーフボードみたいにバランスを取って乗り、そのまま激流がバチュルたちを押し流す。
「よし、これで全部……ッ!?」
背中に走る鋭い刺激。痺れて感覚がなくなったわたしの体が強張ってバランスが崩れる。だけど、スターミーがそれに気づいてわたしが落ちないように支えてくれた。
「一体残った……!? 『サイコキネシス』!」
波が引き、水浸しになった地面に降りると同時にスターミーが残ったバチュルに向けて念力を放つ。なすすべもなく吹き飛ばされたバチュルは、瀕死になると同時に赤い光になって消えた。
「ありがとう、スターミー。麻痺はしてない?」
スターミーは返事代わりに胸のコアを光らせつつ、『自己再生』で回復した。そして再び浮かび始める。
一撃で倒しきれるものと思ったけれど、そんなに甘くはなかったらしい。スターミーの体もちょっと電撃を受けていたところを見ると『放電』あたりを使われたのかもしれない。
【ラディも、体にしびれは残ってませんね?】
「うん、大丈夫」
スターミーと一緒に体を軽く捻ってみる。特に違和感はない。今度は気をつけないと。
「それじゃあ、気を取り直して・・・・・・」
再び迷路を走り始める。今度はバケッチャ達が三匹ころころ転がりながら現れた。ちょっとかわいい・・・・・・ううん、予選クリアのために加減はできない。
「まずは『うずしお』!」
スターミーが波ではなく水の竜巻を発生させてバケッチャを巻き込む。これだけだととても倒しきれないけれど、動きを攪乱するには十分。そして
「『冷凍ビーム』!」
放たれた光線がバケッチャごと渦を氷漬けにする。倒せたかどうかはわからないけれど、これでさっきみたいに攻撃を受けることはない。
状況に合わせた判断に満足していると、遠くの曲がり角から足音が聞こえた。
「うお、派手にやってんな」
大人の男が、わたしが凍らせた渦巻きを見て驚いている。それからこちらを見て。
「それもカードじゃなくてボールとか、こりゃ予選落ちかな」
「・・・・・・ケンカ売ってる?」
いつもより低めの、男の子みたいな声でわたしは返事をする。
「んじゃまあ、せっかく会ったしバトルといくか。親からもらって思い入れとかあるのかもしれねえが、このリゾートではボールじゃカードに勝てねえってことを教えてやるよ」
男はいやな笑みを浮かべてカードを取り出す、そこからエルフーンが飛び出してきた。
「こいつのGX技は『トイボックス』。フェアリータイプの技を一回使うだけで発動できて、あらゆる道具を五個も使えるようになる! おまけに特性がいたずらごころだから先制で確実に使えるって訳
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