第三十章
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「じゃあ行こうか」
「はい、それで農園に戻って」
赤羽は楽しそうに応えた。
「ジャガイモ畑を見ましょう」
「今年はキャベツ豊作ですからね」
青羽はこの野菜の話をした。
「今から収穫が楽しみですよ」
「ビニールハウスの胡瓜も見て」
黄羽はこちらの話をした。
「手入れもしましょう」
「やること多いな、急いで帰るか」
猿渡はこう言ってだった、そのうえで三羽を連れて彼等のいるべき場所に帰って行った。この時に桐生達に何かあれば呼べということも忘れなかった。
後に残ったのは桐生と万丈、紗羽に石動と美空だけだったが紗羽は残った面々に言った。
「私も仕事があるから」
「だからか」
「これでね、またね」
「ああ、またな」
桐生が紗羽に笑顔で応えた。
「何かあったらな」
「その時は呼んでね」
「色々と力を貸してくれよ」
「情報収集は任せてね」
紗羽も笑顔で応えた、そうしてだった。
紗羽も今は彼女の場所に帰った、すると石動は桐生と万丈に声をかけた。
「二人もだよな」
「俺も仕事があるんだよ」
「俺もだ」
二人で石動に答えた。
「これでもバリバリ働いてるからな」
「忙しいんだよ」
「そうだな、じゃあそっちも頑張りながらな」
そのうえでというのだ。
「戦いもな」
「またスサノオが仕掛けてきたらな」
「その時は戦うな」
桐生も万丈も石動に笑顔で応えた。
「今回みたいな」
「そうするな」
「前は常磐ソウゴとかいう奴と一緒に戦ったけれどな」
「その時みたいにするな」
「そうしろよ、それで戦うとなったらな」
石動は二人に温厚だが確かな声で言った。
「俺も協力するからな」
「私もよ」
美空も二人に言ってきた。
「皆で力を合わせて戦っていきましょう」
「そうしてあのエボルトも倒したしな」
万丈は美空に応えて彼と桐生だけが直接の経験として覚えていることから話した。
「やろうと思えば出来るな」
「お前だけじゃ無理だけれどな」
桐生は万丈に笑って告げた。
「絶対にな」
「おい、絶対にか」
「お前馬鹿だからな」
だからだというのだ。
「一人じゃ絶対に無理だよ」
「そう言うお前はどうなんだよ」
「そう言われると俺も一人じゃ無理だったことが多かったな」
エボルトとの長い戦いを思い出すと否定出来ないことだった。
「それは」
「ほら見ろ」
「皆で力を合わせていくのよ」
美空も二人に言った。
「いいわね」
「そうしないと方程式も成り立たないしな」
「コンビネーションだって出来ないな」
「じゃあな」
「折角色々な奴がいるからな」
「一緒にやっていくか」
「そうしていくわよ、神様が何だっていうのよ」
美空の言葉は今度は強いものだった。
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