第百三十三話 砦攻めその五
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「やはりどういった堅城でもな」
「絶対に攻め落とせんこともないな」
「あの城はこの世界では空への備えもあるな」
「空に向けてでかい木の杭を放ってくるで」
所謂バリスタの要領でそうしてくるというのだ。
「これを喰らったらな」
「空船もな」
「大穴開いてあかん様になる」
「そうだな」
「そやからな」
それでというのだ。
「木の杭にもな」
「注意すべきだな」
「そや、しかしそれでもやな」
「そうだ、攻め方はある」
「そやからやな」
「その攻め方でいってだ」
そうしてというのだ。
「攻め落とす」
「そういうことやな」
「実は空からはそれがあるからだ」
木の杭を空に向けて放ってくる、それも多くの台からだ。これは木だけでなく岩もあるし大砲を空に向けて放つことも出来る。
「どうかと思ってだ」
「それでやな」
「下から攻めようとも考えたことがあった」
空つまり上が駄目ならというのだ。
「そちらもな」
「ああ、掘っていってか」
「そうしてな」
地下からそうしていってというのだ。
「攻めることを考えていたが」
「それもええ攻め方や」
城を地下から穴を掘って攻めていくやり方もとだ、耕平は肯定して答えた。
「実際にな」
「そうだな」
「こうした攻め方はほんまにあるしな」
「日本でも世界中でな」
「そうして穴を掘って城の中に潜入するか」
「下で地雷を使って爆発させてな」
「城壁とか壊すとかな」
「色々ある」
穴を掘って攻めるそのやり方はというのだ。
「実にな」
「それはな」
「それで考えたが」
しかしとだ、英雄は耕平に答えた。
「相手もわかっている、熊本城は堀もだ」
「しっかりしてるな」
「内堀も外堀もな」
どの堀もというのだ。
「ただ広いだけではない」
「深いな」
「それも相当なものだからな」
堀の深さ、それもというのだ。城の堀は敵の弓矢や鉄砲それに大砲を届かない様にするだけではないのだ。地下から穴を掘って攻めることも防いでいるのだ。
「だからだ」
「それも諦めたか」
「そうだ」
「それが通じる城やないと判断してやな」
「だから諦めた、しかし」
「それでもやな」
「また言うが絶対に攻め落とせない城はない」
決してと言うのだった。
「だからだ」
「攻め方を考えついたとね」
「そうだ」
まさにとだ、英雄は今度は香織に答えた。
「そうしてだ」
「肥後攻めにおいては」
「その攻め方でいき」
そしてというのだ。
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