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レーヴァティン
第百三十三話 砦攻めその三

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「戦は続く」
「左様ですね」
「この肥前での戦は」
「まだ続いて」
「そうしてですね」
「平定には時間がかかる」
 まだというのだ。
「肥前のかなりの部分を手に入れたにしてもな」
「それでもですね」
「まだですね」
「ではこれからも」
「戦を続けますか」
「そうしていく、そしてだ」
 そのうえでと言うのだった。
「何とかだ」
「このままですね」
「戦を続け」
「そのうえで」
「肥前を完全に手に入れますね」
「戦は続くがな、それでもしていく」
 英雄はこの決意も述べた。
「必ずな、あと砦にいた飯炊き女や戦わない者はな」
「手出しせずにですね」
「帰してやりますね」
「いつも通り」
「そうしろ、いくさ人とは戦うが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「刀や槍を持たないなら」
「何もしないですね」
「左様ですね」
「そうだ、武器を持たぬ者に刃を向けるなぞ」
 それこそとだ、英雄はそうした行為に対してこれ以上はないまでの軽蔑を向けてそうして言うのだった。
「腐った奴のすることだ」
「英雄様はいつもそう言われますね」
「他の棟梁の方々も」
「武器を持たない者には手出しするな」
「その様に」
「だから一銭でも奪うこともな」 
 それもというのだ。
「したならば斬る」
「その時は」
「既に定めてある通り」
「民から一銭でも奪えば」
「その時は」
「首を斬り」
 そしてというのだ。
「魂も消し去る」
「そうされますね」
「では我等もですね」
「そうしたことには注意し」
「そのうえで」
「先に進んでいく」 
 是非にと言うのだった。
「これからもな」
「軍勢の決まりは厳しく」
「武器を持たぬ者には刃を向けず」
「そうしたことは守る」
「何があっても」
「そうしていく、では肥前の全てをだ」
 手に入れると言ってだ、そうしてだった。
 英雄は肥前を手中に収めていった、戦は多く降る者も思う様にはいかなかった。だがそれでもだった。
 時間をかけて肥前の全てを掌握した、島々も手に入れていったがこの時に英雄達は対馬も手に入れた。
 そのことを佐賀城で確認した時に彼は仲間達に話した。
「この世界での対馬は只の島だな」
「そうでありまして」
 峰夫が答えた。
「特に交易等とはです」
「縁がないな」
「ただ。塩山と銀山があり」
「銅山もあるな」
「手に入れますと」
 この浮島の対馬をというのだ。
「かなり豊かになります」
「塩や銀、銅が手に入るからな」
「しかもかなり豊かです」
 そうした鉱産資源がというのだ、この浮島では塩も山から採れるので鉱産資源と考えられているのだ。
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